久木野 憲司 (KUGINO KENJI) 男性 1958年生まれ
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2024/10/21 更新
プロフィール
学歴
昭和57年 3月 長崎大学水産学部食糧科学系卒業 |
昭和61年 3月 長崎大学大学院水産学研究科修士課程修了 |
平成元年 3月 徳島大学大学院栄養学研究科博士後期課程単位取得満期退学 |
平成元年12月 保健学博士の学位取得(徳島大学) |
職歴
昭和57年 4月 カルビー株式会社入社 (昭和58年 7月まで) |
昭和58年 8月 長崎大学水産学部食品栄養学講座研修生 (昭和59年 3月まで) |
平成元年 4月 佐賀女子短期大学助手「解剖生理学実験」 (平成 2年 3月まで) |
平成 2年 4月 佐賀女子短期大学助教授「解剖生理学」 (平成 6年 3月まで) |
平成 6年 4月 山口女子大学助教授「解剖生理学」 (平成 8年 3月まで) |
平成 8年 4月 山口県立大学助教授(校名変更による)「解剖生理学」 (平成10年 3月まで) |
平成10年 4月 長崎県総務部新大学準備室勤務 (平成11年 3月まで) |
平成11年 4月 県立長崎シーボルト大学教授 (平成20年 3月まで) |
平成12年 4月 西九州大学客員教授(1期目) (平成14年 3月まで) |
平成14年 4月 西九州大学客員教授(2期目) (平成16年 3月まで) |
平成15年 4月 県立長崎シーボルト大学大学院人間健康科学研究科教授 (平成20年 3月まで) |
平成17年 6月 China Bio Labo Inc. (中国独資外資企業) CEO(董事長) (平成21年 3月まで) |
平成20年 4月 長崎県立大学教授(校名変更による)「解剖生理学] (令和 2年 3月まで) |
平成20年 4月 長崎県立大学大学院人間健康科学研究科教授(校名変更による) (令和 2年 3月まで) |
令和 2年 4月 西九州大学長 (令和 4年 3月まで) |
令和 5年 4月 西九州大学教授 (現在に至る) |
専門分野
生理学、形態学 |
研究テーマ
体内動態、栄養素、骨代謝、動物モデル |
共同研究
所属学会
日本家政学会 日本栄養食糧学会 |
学会・社会活動
昭和61年 4月 日本栄養・食糧学会会員 (現在に至る) |
平成元年 4月 日本体力医学会会員 (平成18年 5月まで) |
平成元年10月 社団法人日本酪農乳業協会学術研究会委員 (平成23年 3月まで) |
平成 2年 3月 佐賀県体育協会スポーツ医科学研究会委員 (平成 7年 3月まで) |
平成 6年 4月 山口県骨粗鬆症予防対策検討委員会委員 (平成 8年 3月まで) |
平成 8年10月 日本衛生学会会員 (平成18年 3月まで) |
平成 9年 8月 福岡医学会会員 (平成30年 3月まで) |
平成11年10月 日本栄養・食糧学会西日本支部評議員 (平成18年 3月まで) |
平成12年 6月 日本家政学会九州支部幹事長 (平成14年 5月まで) |
平成14年 6月 日本家政学会九州支部常任幹事 (平成18年 5月まで) |
平成17年 2月 日本毒性学会会員 (平成20年 3月まで) |
平成18年 4月 日本栄養・食糧学会九州沖縄支部参与 (現在に至る) |
平成18年 4月 九州経済産業局九州バイオクラスター検討会委員 (平成19年 3月まで) |
令和 2年 9月 食育ネットワークさが代表 (現在に至る) |
令和 2年10月 佐賀市まち・ひと・しごと創生推進会議委員 (現在に至る) |
令和 2年10月 第78回国民スポーツ大会佐賀市準備委員会参与 (現在に至る) |
令和 3年 2月 SAGA2024国民スポーツ大会神埼市実行委員会委員 (現在に至る) |
学会賞等
昭和64年 1月 財団法人康楽会賞授賞(学位論文となった研究に対して) |
令和 4年 9月 栄養関係功労者厚生労働大臣表彰 (栄養士・管理栄養士養成の功績に対して) |
研究者からの一言アピール
オフィスアワー
教育・研究業績一覧
著書・論文等
【著書】
栄養学英和辞典ー改訂第二版ー
2008/09 共著 金原出版
【概要】国内初の栄養学専門英和辞書として出版された初版は、多くの栄養学関係者に利用されることになり国内で定着しつつあるが、内容に関する利用者からの指摘事項や改善要望が集積されてきたこと、また、初版から6年を経過することで最新学術の用語が未掲載であることなどにより、改訂の要望が多く寄せられていた。今回、最新の専門用語を加えること、利用者からの指摘に対応すること、に主眼をおいて全般的な見直し作業を行った。初版における問題点が改善されることで、より実用的な専門英和辞典になったと考えている。
(監修・編集代表)久木野 憲司、山本 茂、(編集)小川 正 他 6名、(執筆)Wakita Andrea 他 121名、計129名。
【著書】
「運動生理学」- 改訂第二版
2002/05 共著 金原出版
【概要】高齢化社会を迎えて疾病対策は「治療」から「予防」へと移行され、栄養・運動・休養の重要性が認識されてきた。これにより、栄養士の仕事も食物摂取の指導(栄養処方)といったこれまでの仕事に加えて、食物消費の指導(運動処方)も新たな役割となってきた。栄養士養成課程での運動生理学はこの観点に立って教授される必要があり、本書は栄養処方と運動処方の統合的実践を可能とするために必要と思われる知識をまとめた書である。
著作者:(編集)村木 里志、久木野 憲司、穐吉 敏男、庄野 菜穂子(執筆)村木 里志、篠田 謙一、田原 靖昭、渡部 真由美、鈴木 公、岡 達三、桧垣 靖樹、堀尾 拓之、庄野 菜穂子、怱那 龍雄、松本 耕二
【著書】
標準栄養学講座「解剖生理学」-改訂第三版-
2002/04 共著 金原出版
【概要】改正栄養士法に従った新カリキュラムが平成14年度より実施されることになったことから、管理栄養士の職務に必要となる専門知識を教授するための教育内容の再検討が全国の教員により進められている。著者らは改めて管理栄養士養成課程において要求される解剖生理学の教授内容を吟味して整理し、刊行することとした。本書では、管理栄養士国家試験に必要な知識のうち最も基礎的で必須の項目に絞って、専門の栄養学を理解するために必要となる解剖学と生理学の知識をコンパクトにまとめることに気を配った。また、文章を出来るだけ平易にし、色刷りの図表を中心に本文を構成している。また、学習参考書で使う色シートを添付して、学生がキーワードを記憶するための助けになるよう工夫している。
著作者:久木野 憲司、穐吉 敏男
【著書】
標準栄養学講座「運動生理学」
2002/04 共著 金原出版
【概要】平成14年に施行される改正栄養士法にもとづく新カリキュラムに準拠して編纂された書である。旧カリキュラムでは必修科目に指定されていた「運動生理学」が、新カリキュラムでは「人体の構造と機能/疾病の成り立ち」という大科目の教育内容の一部としての「個体として人体が行う食事、運動、休養などの基本的生活活動の機構」となった。本書はこの教育内容の運動や休養面について十分に配慮して編集されている。また、栄養指導の場において必要となる運動生理学の知識として、運動によって消費されるエネルギー量の計算方法の基礎から実際までの説明と、運動処方の具体的実施方法との2点について丁寧に説明した。
著作者:(編集)久木野 憲司、村木 里志、穐吉 敏男、庄野 菜穂子、(執筆)穐吉 敏男、久木野 憲司、怱那 龍雄、庄野 菜穂子、鈴木 公、田原 靖昭、桧垣 靖樹、村木 里志
【著書】
標準栄養学講座「生化学」- 改訂第二版 -
2002/04 共著 金原出版
【概要】本書は初学者を対象として、むやみに最新の研究成果を網羅的に扱うのではなく、生化学の基本的な考え方を理解してもらうことを目的として執筆した。取り上げる項目は新カリキュラムに準拠して管理栄養士国家試験に必要なものとした。人体の仕組みについて「個体とその機能を構成する遺伝子レベル細胞レベルから組織器官レベルまで」系統的に理解できるよう、本書を読み進むに従って体内に入った栄養素がどのように変化するのかが自然に理解できるように工夫した。
著作者:(編集)長坂 祐二、中村 和行、久木野 憲司、(執筆)久木野 憲司、鈴木 公、中岡 寛、長坂 祐二、中村 和行、野田 耕作、松岡 麻男、三嶋 敏夫、柳田 晃良
【著書】
栄養学英和辞典
2002/01 共著 金原出版
【概要】本書は国内初の栄養学専門英和辞書である。その他の辞書を使うことなく本書のみでおよその栄養学関連原書を読めるように、使用頻度の高い専門用語に基礎用語を加えたものを見出し語としている。すべての見出し語に発音記号を記載するとともに自然な発音をカタカナ表記しているので会話の際にも利用しやすいようになっている。解説は多くの栄養学研究者の手により最新の専門知識が平易な言葉で述べられ、初学者から臨床の現場で働く栄養士までもが利用できるようにまとめられている。また、臨床の場にて役立つように臨床略語を整理して掲載したり、和英の部を設けて日本語から英語を検索できるようにする和英でも引けるようにするなど、本文以外の知識も多く掲載した実用的な専門英和辞典となっている。
(監修・編集代表)久木野 憲司、山本 茂、(編集)小川 正 他 8名、(執筆)青山 敏明 他 118名、計129名。
【著書】
標準看護学英和辞典
2001/12 共著 金原出版
【概要】看護職を目指す学生や卒後間もない看護職者を対象とした実用的看護英和辞典である。米国内において使われている多くの看護専門書を参考にして、使用頻度の高い専門用語を選出し、これに基礎用語を加えて見出し語とした。出来る限り平易な文章にて解説を行い、初学者に苦手な専門用語の漢字にルビを振り、発音にカタカナ表記を併用するなど、様々な工夫によって初学者から臨床で働く看護職員までが利用しやすいように工夫された専門英和辞典である。
(編集代表)久木野 憲司、(編集)穐吉 敏男 他 6名、(監修)池田 高良、(執筆)井上悦子 他 86名、計95名
【著書】
解剖生理学 - 改訂第二版 -
1998/03 共著 金原出版
【概要】初版の発行から5年を経て、遺伝子・免疫・神経などの先端領域の進歩はめざましく、初版発行の時点には不確かだった知識がその後に解明されて常識となったものも少なくない。また、初版本を講義に利用する栄養士養成大学の教科担当者らの改善意見も集積・整理されたため、これらを考慮した全面改訂を行った。全章にわたる加筆に加え、ほとんどの図版を改良・追加した。初版の方針でもあった、1)一冊を通じた体系的解説、2)予備知識を前提としない平易な説明、3)図版による視覚化、をさらに発展させた解剖生理学の書である。
久木野 憲司、穐吉 敏男
【著書】
生化学
1993/08 共著 金原出版
【概要】生理学の一分野でもある生化学は人体の働きを理解するために必須となる基礎学問であるが、観念的な理解を必要とするために学生の苦手とする教科でもある。本書は、栄養士課程の学生に必須と思われる知識を厳選し、豊富な図版を用いることによって視覚的に内容を把握出来るように工夫した書である。
(編集)久木野 憲司、(執筆)野田 耕作、柳田 晃良、松岡 麻男、三嶋 敏夫、鈴木 公、中岡 寛、久野 一恵
【著書】
解剖生理学 -実験編
1992/04 共著 金原出版
【概要】解剖生理学の講義内容の理解を助けるための実験項目を選び、丁寧な解説によって学生が自主的に実験を実施し、問題点を考察できるように編集した書である。また、全国のどの栄養士養成施設においても実施できる実験内容とするため、できるだけ特殊な機器を用いずに実験を行えるように各実験項目の手技を独自に改良した点が特徴である。
著作者:穐吉 敏男、久木野憲司、清原 壽一
【著書】
解剖生理学
1992/04 共著 解剖生理学実験編 金原出版
【概要】栄養士教育において従来不足がちであった人体の解剖生理学、とくに生理学の知識をできるだけ体系的に修得できるように工夫して編集した書である。難解な用語の使用を避け、読者に高度な予備知識を要求しない解説文の執筆に心掛けており、豊富な図版と平易な説明によって全章が構成されている。将来栄養士となる学生にとって必須と思われる生理学の知識、およびこれを補完する解剖学知識を大学生向けにまとめた栄養士養成課程用の書である。
著作者:穐吉 敏男、久木野憲司、清原 壽一
【学術論文】
Factors in Low Prevalence of Child Obesity in Japan
2020/12 共著 Asian J Diet Volume 2, P105-111
【概要】本研究では8歳と10歳の58名の小学生を対象に3日間の食事調査を行い、砂糖及び脂質の摂取量を調査し、日本の学齢期の肥満率が他の先進国に比べて低い要因を検討した。砂糖摂取量については食品からの単糖及び二糖類の摂取量も算出し推定した。結果、砂糖と脂質の平均摂取量は、他の先進国に比べて最も低いものの一つと考えられ、それぞれ90%以上と75%以上の対象者において、WHOが推奨する範囲内であった。日本の小児肥満が少ない要因として諸外国に比べて食品からの糖分と脂質の摂取量が少ないことが一因である可能性が示唆された。
Sayako Aoki, Nobuko Sarukura,, Hitomi Takeichi, Ayami Sano, Noriko Horita, Yuko Hisatomi, Kenji Kugino, Saiko Shikanai
【学術論文】
Changes in bone density and bone quality caused by single fasting for 96 hours in rats.
2019/01 共著 Peer J 6:e6161 DOI 10.7717/peerj.6161
【概要】短期の低栄養(絶食)が骨の構造と機能に及ぼす影響を調べるために、雄性ラットを4日間絶食させ、絶食期間中とその後の摂食再開期における骨の変化を個体毎に経時観察した。X線CT撮影によって得られたラット椎骨の断層画像をソフトウェアに自動認識させた後、各断層画像で誤認識されているROI(Region of Interest)を解剖学的構造に符合するように修正して皮質骨と海面骨のエリアを特定し、エリア認識を完成した各断層画像を立体的に構築し、種々の骨パラメータを算定した。本研究の結果、絶食は、骨の外形的形態に大きな変化を与えない一方で、骨密度を大きく低下させること、また、「曲げに対する強さ」を表す最小断面二次モーメントおよび「ねじれに対する強さ」を表す断面二次極モーメントも低値を示した。摂食再開後、絶食群の骨塩量は急速に回復したが、一方、最小断面二次モーメントと断面二次極モーメントの値はほとんど回復しなかった。最小断面二次モーメントと断面二次極モーメントはミネラル成分のマクロ的分布に依存した値であることから骨のマクロ構造に関する骨質のパラメータであると理解できる。したがって、最小断面二次モーメントと断面二次極モーメントの低下は骨のマクロ形態変化に起因する骨強度の低下を示唆するものである。本研究結果、数日の絶食によって引き起こされる骨質の変化(骨の強度低下)が摂食再開後も長期間にわたって回復しない事実、は骨粗鬆症の予防栄養学上で注目すべき知見である。絶食が惹起した骨の最小断面二次モーメントと断面二次極モーメントの減少は「骨質」の何らかの要因が変化したことを捉えており、今後の「骨質」解明に向けた研究において有効な骨パラメータの一つになるかもしれない。
Hisatomi Y and Kugino K
【学術論文】
Effect of proteolytic modification on texture and mastication of heat-treated egg white gels.
2017/02 共著 Journal of Food Processing and Preservation, Volume 41, Issue 1. 1-8
【概要】本研究はプロテアーゼ処理により加熱卵白ゲルのテクスチャーを改変した。プロテアーゼ処理卵白ゲルはオボアルブミンが分解され、やわらかく、明瞭な破断を示さなかった。官能評価と咀嚼筋の表面筋電位測定により、プロテアーゼ処理ゲルはプロテアーゼ処理しないゲルとくらべよりやわらかく、なめらかでテクスチャーが良いとされた。これらのことから、プロテアーゼ処理することにより卵白ゲルは優れたテクスチャーとなり、飲み込みやすいと考えられた。
Funaki J, Minami M, Abe S,Ueda R, Eto W, Kugino K, Kugino M, Abe K, Toko K, Asakura T
【学術論文】
Long-Duration Carbon Dioxide Anesthesia of Living Fish Using Ultra Fine (Nano-Scale) Bubble.
2016/04 共著 PLOS ONE, 第11巻 e0153542. doi:10.1371/journal. pone.0153542, 1-9.
【概要】魚介類をCO2で麻酔する技術の検証を行った。従来、魚介類をCO2で麻酔すると十分な溶存酸素下でも短時間で頓死すると信じられていた。著者らはCO2麻酔下の頓死は呼吸運動低下に伴う酸素欠乏が原因であり、溶存酸素100%を超える高濃度酸素環境を魚介類に与えることで酸素欠乏、頓死を回避できると考えた。本実験の結果、高濃度酸素環境を提供する手段にナノサイズ気泡を用いた、イサキを対象とした実験で、22時間の麻酔維持、そして、覚醒後の魚体に異常所見が生じないことを明らかにした。
Kugino K, Tamaru S, Hisatomi Y, Sakaguchi T.
【学術論文】
Changes in brain tissue and behavior patterns induced by single short-term fasting in mice.
2013/11 共著 PLOS ONE, 第8巻 e80085.doi: 10.1371/journal. pone. 0080085.1-9.
【概要】短期の低栄養(絶食)が脳の構造と機能に及ぼす影響を調べるために、雄性成熟マウスを4日間絶食させ、絶食中の行動パターンと絶食後の脳組織を観察した。その結果、絶食中はマウスの運動量と俊敏性が増し、行動パターンに様々な変化が見られた。脳組織に著明な肉眼的所見は認められず、KB染色による光顕的観察でも明確な変化は見られなかった。一方、免疫染色によるネスチン陽性細胞の観察では、対照群マウスにおいて陽性細胞がSVZと海馬の歯状回で広範囲に確認された一方、絶食群マウスではほとんど観察されず、絶食が海馬歯状回と脳室下帯のニューロン新生を阻害する現象が観察された。
Hisatomi Y, Asakura K, Kugino K, Kurokawa M, Asakura T, Nakata K,
【学術論文】
Can voluntary exercise mitigate the negative influence of fasting on calcium balance and bone strength in rats?
2013/04 共著 Med. and Biol., 第157巻 P346-356
【概要】運動と絶食がCa出納と骨強度に及ぼす影響を若齢期のラットを用いて検索した。60日の飼育期間中、4日間、2回の絶食を飼育前半と飼育後半に行った。運動は自発的運動とした。その結果、絶食期間中は体重量の減少に伴ってCa保有量は減少し、とくに若齢期ラットで顕著であった。摂食量が多い時にはCa吸収率は低く、摂食量が低い時にはCa吸収率は高い値を示した。絶食時の運動負荷はCa保有量を減少させた。若齢であるほど絶食および絶食時の運動負荷は体内のCa量を減少させ、骨の成長を抑制して回復困難な骨の脆弱化を招くことが明らかとなった。
Hisatomi Y, Asakura T, Nakata K, Sebe K, Kugino K
【学術論文】
Relationship Between Tissue Structural Collapse and Disappearance of Flesh Transparency During Postmortem Changes in Squid Mantles
2009/12 共著 Journal of Food Science, 第74巻,(Nr.9) P495-501
【概要】生きたイカの外套膜は透き通った筋組織であるが、死後は急速に透明度が失われて白色となる。イカ筋肉の透明度が失われる現象は多く報告されているが、そのメカニズムについて言及した報告はない。本研究ではイカ筋組織の透明度が死後に失われるメカニズムを透過電顕的組織観察から解明しようとした。その結果、筋肉中ATPの枯渇が示す細胞死の後、筋肉組織では自己消化による筋線維間微細構造の崩壊が急速に広範に進むことが観察された。このことから、緻密接着した筋微細構造が死後の自己消化で崩壊して間隙を形成、入射した可視光線の組織内乱反射を引き起こして光の透過率を低下させ、肉眼的な筋肉の白色化を引き起こす、というメカニズムが明らかとなった。
Kugino M 、Kugino K 、Tamura T and Asakura T
【学術論文】
中国黒龍江省と内モンゴル自治区に住む中年女性のBMI
2007/08 共著 肥満研究、第13巻 p201-208
【概要】中国黒龍江省と内モンゴル自治区の中年女性801名を対象に身体状況調査を行った。BMIを職業別、年齢階級別、民族別に求め、「中国国民栄養と健康状況調査2002」と比較検討した。BMIによる体重分類をアジア人と中国人の2つの基準で分類して比較した結果、BMIは農民、農牧民、町民の順に有意に高かった。調査地住民の身長と体重は中国人平均値と比較すると、調査地が有意に高かった。成人中国人の「正常体重」は全体の約10?15%であった
于 秉柯、金子 真紀子、水沼 俊美、古川 恵子、康 荻、久野 一恵、久木野 憲司、坂井 堅太郎、于 維漢
【学術論文】
Neuroimaging and histopathological evaluation of delayed neurological damage produced by artificial occlusion of the middle cerebral artery in Cynomolgus monkeys -Establishment of a monkey model for delayed cerebral ischemia.
2007/06 共著 Exp Toxicol Pathol, 第56巻 P9-16
【概要】ヒトでは脳梗塞部と別に遠隔非虚血部の黒質と視床で遅発性障害が生じるが、小動物虚血モデルでもこの現象が確認された。しかし、小動物モデルとヒトでは障害機序が異なり、また、臨床例では障害過程を検索できない。本研究では、ヒト脳梗塞に極めて類似するカニクイザル中大脳動脈(MCA)閉塞モデルを用い、遠隔非虚血部の黒質と視床に発現する遅発性神経細胞障害の過程を検索した。その結果、MCA 閉塞1週後に遠隔非虚血部の黒質に浮腫が生じ、TH 陽性神経細胞減少と反応性アストロサイトの著増が認められ、アストロサイトを介した神経毒性作用が示唆された。
Hirouchi Y, Suzuki E, Mitsuoka C, Jin H, Kitajima S, Kohjimoto Y, Enomoto M, Kugino K.
【学術論文】
Effect of dietary extract on lipid metabolism, blood pressure, and blood glucose in SD rats, hypertensive rats, and diabetic rats.
2006/02 共著 Biosci. Biotechnol. Biochem., 第70巻 P462-470
【概要】カキの食品機能性を検索する目的で、カキから得られたペプチドの生体への作用を調べる実験を行った。カキより抽出したタンパク質を消化酵素によって部分分解して混合ペプチドを調整した。この混合ペプチドをラットに経口投与して飼育し、血圧と脂質代謝に対する影響を調べた。その結果、カキ由来の混合ペプチドはラットの血圧を低下させる効果を示すとともに、血清および肝臓中の中性脂肪濃度を低下させる効果を有することが明らかとなった。
Tanaka K, Nishizono S, Kugino K, Tamari M, Kurumiya M, Abe N, and Ikeda I
【学術論文】
日本人女性と中国人女性の味覚感度の比較
2003/12 共著 肥満研究 第9巻 P308-316
【概要】30歳代と40歳代の日本人女性113名、同じ年代の中国東北部黒龍江省に住む漢族、満族、キルギス族、タウル族およびブリアート族の中国人女性290名について、舌尖部における味覚感受性をろ紙ディスク法により調べた。甘味、塩味、酸味、苦味に対する味覚の認知閾値が民族や年代によって差異があるか否かを統計的に検討した。その際に各民族の各味質を切断正規分布モデルとブートストラップ法により適切な平均と分散を推定した。その結果、4味質全て日本人の味覚感度は中国人よりも有意に高かった。また、各民族で30歳代に比べて40歳代の味覚感度が低い傾向が見られた。さらに日本人と都市に住む漢族の味覚感度は、農村に住む漢族、満族、キルギス族、タウル族およびブリアート族よりも有意に高かった。
中村 永友、金子 真紀子、水沼 俊美、于 維漢、于 秉柯、坂井 堅太郎、久野 建夫、久木野 憲司
【学術論文】
中国東北部黒龍江省の農村と都市にすむ中年女性の食生活状況
2003/04 共著 肥満研究 第9巻 P45-50
【概要】中国黒龍江省の農村および都市に居住する40歳代の漢族女性115名について、身体状況、食生活状況および消費エネルギー量を調べた。その結果、都市は農村よりも肥満が多く、体重不足はみられなかった。農村は大豆油とラード、都市は大豆油と豚脂身バラの摂取量が多く、脂質エネルギー比が高く、タンパク質は不足していた。脂質を多く含む食品の摂取を減らし、タンパク質やヒスチジンを多く含む豆類や魚介類の摂取を増やすなどの栄養指導の必要性が示唆された。
金子 真紀子、久野 一恵、于 秉柯、久木野 憲司、水沼 俊美、中島 滋、辻 真紀子、坂井 堅太郎、于 維漢
【学術論文】
ラット血清および肝臓脂質濃度に及ぼすクロナマコの影響
2003/03 共著 日本栄養・食糧学会誌 第56巻 P175-179
【概要】クロナマコを加えた20%タンパク試料および対照としてカゼインをタンパク源とした試料をラットに与えて4週間飼育した。その結果、クロナマコは血清および肝臓Chol濃度を有意に低下させ、HDL-Chol/総Chol比を上昇させた。クロナマコの摂取で糞中への中性および酸性ステロイド排泄がは促進され、Chol低下作用を発現することが示された。
田中 一成、西園 祥子、加瀬 綾子、巨椋 澄子、栗田 翠、村上 智子、久木野 憲司、松本 仁、池田 郁男
【学術論文】
食事からみた食事脂質評 価の一例
1999/02 共著 栄養学雑誌, 第57巻 P45-49
【概要】徳島県内の大学にて実施されている給食の脂肪酸量を算出し、脂肪酸からみた食品群の特徴を示した。その結果、 穀類と獣肉類のn-3/n-6比が高い値を示し、魚介類と藻類は低値であったことから、主食を穀類とする食事には魚介類を合わせる方が脂質栄養のバランスが良いとの結果を得た。
水沼 俊美、金子 真紀子、坂井 堅太郎、太田 聖乃、竹村 容子、真鍋 祐之、久木野 憲司、久野 一恵、梶本 雅俊
【学術論文】
n-3系およびn-6系不飽和脂肪酸量からみた料理(主材料別)の脂質評価
1999/02 共著 栄養学雑誌, 第57巻 P37-44
【概要】徳島県内の事業所にて実施されている献立よりn-3系およびn-6系不飽和脂肪酸量を算定し、両脂肪酸の相互関係を検討した。その結果、n-3系およびn-6系不飽和脂肪酸量の脂質栄養の評価は一般に理解が容易な資料としてまとめられ、成人病予防の栄養指導を行う際に極めて有用性が高いことが判明した。
水沼 俊美、金子 真紀子、坂井 堅太郎、真鍋 祐之、久木野 憲司、久野 一恵、梶本 雅俊
【学術論文】
女性の味覚感度は加齢で低下し、肥満では酸味が低下する
1998/12 共著 肥満研究 第4巻 P297-301
【概要】20歳代から70歳代までの女性363名について舌の味覚感度を測定し、味覚感度に及ぼす加齢や肥満の影響を検討した。その結果、味覚感度は加齢および体脂肪率の増加にともなって低下することが示された。肥満による味覚感度の低下はとくに40歳代以降の者で急増し、とくに酸味の感度低下が顕著であった。
水沼 俊美、金子 真紀子、久野 一恵、荒尾 恵介、堀尾 拓之、久藤 麻子、坂井 堅太郎、真鍋 祐之、久木野 憲司
【学術論文】
Studies on ACh-induced contraction of ileum in rats.
1998/11 共著 Nutrition Research, 第18巻 P1879-1888
【概要】小腸の収縮運動に対する身体運動の影響を、動物を用いた神経生理学的実験方法によって検索した。運動を負荷して長期間飼育したラットより摘出した回腸をタイロード液中に吊して、アセチルコリンに対する刺激収縮力を調べた結果、通常よりも有意に高い収縮力を示し、個体の運動量とよく相関した。消化管ホルモンの血中レベルは食事や運動負荷とは関係していなかった。実験結果より、運動は消化管ホルモンの分泌量には影響しないが小腸の平滑筋のホルモン感受性を高めて消化管内容物の輸送速度を促進するとともに、亢進した消化酵分泌素によって消化管内容物の消化吸収速度を早めることが示唆された。
Kugino K, Suzuki I and Kugino M
【学術論文】
骨形成に及ぼすリボフラ ビンの影響について
1998/06 共著 福岡医学雑誌, 第89巻 P166-171
【概要】骨形成に対するリボフラビン摂取の影響をラット大腿骨を用いて実験的に検索した。その結果、大腿骨の長さや重量といったマクロな骨形態、あるいは光学顕微鏡下における骨組織観察においてはリボフラビン摂取量の多寡は影響しないとの結果を得た。しかし、骨の物理的強度はリボフラビン摂取量と有意に正相関した。これらのことから、体内においてリボフラビンは骨梁形成などのミクロな骨構造や骨組成に強く影響を与え、骨の物理的強度を高める作用のあることが示唆された。
久木野 憲司、河村 恵子、水沼 俊美、久藤 麻子、穐吉 敏男、久木野 睦子
【学術論文】
胎児肩胛骨の発育につい て
1998/03 共著 福岡医学雑誌, 第89巻 P83-89
【概要】佐賀医科大学に搬入されたヒト胎児(男性40体、女性47体)から摘出された肩胛骨を材料とし、胎生期における肩甲骨の形態的特徴を検索した。肩甲骨各部を計測して集計・統計処理するとともにコンピュータによる画像解析を行った結果、肩甲骨の形態長と形態高は身長によく相関して成長し、長高示指数と高長角は成人に比して胎児で大きく、全体的に胎児肩甲骨は横に広く縦に短いことが明らかとなった。また、骨化の進行は、幅において著しく、高さにおいては軟骨部の成長が著名であるために骨化部の占める割合は胎生後期にはむしろ増大することが示された。
穐吉 敏男、久木野 憲司、長崎 洋
【学術論文】
加齢にともなう味覚機能の変化について
1998/03 共著 福岡医学雑誌, 第89巻 P97-101
【概要】感覚器官の加齢にともなう生理機能の変化については多くの報告があるが、味覚機能についての知見は少なく、味覚機能と加齢との関係については一定の評価が得られていない。そこで、本研究では20歳から76歳までの308名を対象として、舌尖部味覚認知閾値についての詳細な検索を行った。その結果、30歳代よりすでに味覚の鈍化が認められ、とくに、甘味と酸味については明確であった。また、70歳を越えると、全ての味に対する感受性が著しく低下しており、塩味についての低下は比較的軽微であることが示された。
久木野 憲司、水沼 俊美、金子 真紀子、久野 一恵、穐吉 敏男
【学術論文】
肥満に関する一考察「人体の形態学的特徴と体格指数の関係について」
1998/03 共著 福岡医学雑誌, 第89巻 P83-89
【概要】ハワイ生まれの日系人と奄美住民の形態測定の値を比較検討し、身体の形態学的特徴の違いから、従来用いられてきた肥満の計算方法に対する考察を行った。その結果、ローレル指数が大きく肥満度が高いと判定される奄美住民の実際の肥満程度(皮下に蓄積された脂肪量)はローレル指数の小さなハワイの日系人よりも少ないことが判明した。このことより、身長と体重から定まるローレル指数などの体格指数が正確に肥満を判定し得ないこと、また、肥満の測定には直接的に体脂肪量を評価できる測定項目が不可欠であることが明らかとなった。
穐吉 敏男、久木野 憲司、長崎 洋
【学術論文】
舌表面各部位における4 基本味質の認知閾値に関する 研究
1997/10 共著 福岡医学雑誌, 第88巻 P298-303
【概要】Kiesowの古典的考えに基づいた舌の味覚地図が定説として普及し、わが国の教科書等にも掲載されているが、この説を疑問視する実験報告も多い。そこで、本実験では大学生を被検者として舌表面における4基本味質の認知閾値を詳細に測定することによって、新ためて味覚感度についての生理学的検証を行った。その結果、甘味・塩味・酸味では舌尖部が最も認知閾値が低く、また、苦味のみ舌根部の閾値が最も低いことが示された。本実験でKiesowの説と多くの点で異なる結果が得られたことから、味覚の認知閾値が舌面上においてどのような分布をしているのかは、味覚センサーや支配神経の分布などの解明を進めることによって今後慎重に再検討する必要のあることが提言された。
久木野 憲司、金子 真紀子、穐吉 敏男、水沼 俊美
【学術論文】
Changes in microstructure and rheological properties of squid mantle during storage.
1997/03 共著 Food Science and Technology, International, 第3巻 P157-162
【概要】死後、低温下でのイカ筋組織の構造変化を電子顕微鏡下にて検索した。その結果、筋原線維間および筋線維間に構築されている結合組織は急速に崩壊し、筋原線維間と筋線維間に大きな乖離が生じることが確認された。
Kugino M and Kugino K
【学術論文】
閉経前後の女性における 超音波法による骨密度に関す る研究
1997/01 共著 日本衛生学雑誌, 第51巻 P755-762
【概要】骨粗鬆症の危惧される高齢女性の骨密度と性ホルモン(E2, free T, DHEA-S, SHBG)との関連を明らかにするため、超音波測定による骨分析および性ホルモンを中心とした血液分析を20~70歳代の女性を対象として実施した。その結果、閉経女性では年齢や形態(BMI, %fat, fat mass)がUBD指標(SOS, BUA, SI)に独立して関与していることが示唆された。これに対して、閉経前女性ではUBD指標と血中DHEA-Sレベルの間に負の関連がみられ、若年成人期における性ホルモンの状態が骨密度の形成・維持に強く影響していることが示唆された。
庄野 菜穂子、久木野 憲司、吉田 節子、中山 実生子、上野 裕文、西住 昌裕
【学術論文】
Effect of dietary protein level on breaking force of femur in rats.
1996/12 共著 Recent re-search de-velopments in Nutrition Research, 第1巻 P93-98
【概要】骨の形成と構造的強度に及ぼすCaとタンパク質の役割を生理学的側面より検索した。その結果、摂取タンパク質の不足は骨化の重要な因子であるCaバランス(=Ca摂取量-Ca排泄量)を著明に低下させ、 Caの骨への沈着を抑制することによって骨の成長を遅らせることが示唆された。また一方で、過剰なタンパク質供給の状態においても骨へのCa沈着が阻害されるためにマトリックス構造の形成不全等の原因によって引き起こされていると思われる骨強度の低下が示された。これらのことから、骨の形成には利用可能な体内Ca量に適したタンパク栄養状態があり、そのバランス点に接近するにともなって骨化の効率が著明に向上することが示唆された。
Kugino K and Kugino M
【学術論文】
Changes in the microstructure and rheological properties of squid mantle due to cooking in an NaCl solution and soy sauce.
1995/08 共著 Journal of Home Econo-mics of Japan,第46巻 P751-757
【概要】イカ外套膜を各種溶液で加熱したときの筋組織の構造変化を電子顕微鏡下にて検索した。その結果、高張液で加熱した筋組織では、筋原線維が顕著に凝縮されて筋線維間に著しい乖離の生じることが観察された。一方、醤油加熱した筋組織は、筋原線維が凝縮するとともに筋線維間も密に密着し、筋層全体が濃縮された構造となることが観察された。
Kugino M and Kugino K
【学術論文】
Microstructural and rheological properties of cooked squid mantle.
1994/04 共著 Journal of Food Science, 第59巻 P792- 796
【概要】加熱によって変化するイカ外套膜の筋肉組織の構造変化を電子顕微鏡下にて検索した。その結果、筋線維蛋白質の熱変性によって脱水・収縮を起こした筋線維間結合は断裂し、筋組織構造の崩壊が進むにつれて筋層のマクロ構造は脆弱化していくことが観察された。これが異方向性をもった筋肉組織の特異的物性変化を起こす原因であると推察された。
Kugino M and Kugino K
【学術論文】
消化吸収機能に対する運動効果
1993/03 共著 体力研究, 第83巻 P53-60
【概要】膵を中心とした消化器系臓器の機能が長期間の運動習慣によってどのように変化するのかを生理学的測定によって検索した。その結果、長期間の運動習慣は消化管平滑筋の恒常的運動機能を亢進させ、胃排出能をはじめとした消化管内容物の移送速度を上げることが明らかとなった。また、膵液の分泌量も運動によって有意に亢進することが認められ、酵素による消化管内用物の化学的消化が促進されていることも示唆された。これらのことから、長期の運動習慣は恒常的な消化吸収機能を亢進させる効果を有することが示唆された
久木野 憲司、鈴木 公、久木野 睦子、湊 久美子
【学術論文】
Rheological properties of dried squid mantle change on softening.
1993/02 共著 Journal of Food Science, 第58巻 P321-324
【概要】乾燥イカ外套膜の筋肉組織をアルカリ処理などで膨潤させたときに形成される特異的な物性の成因を明らかにするために、筋組織構造の変化を電子顕微鏡下にて検索した。その結果、乾燥によって凝縮した筋肉に水が浸透して膨潤する過程では浸透部位に構造特異性があり、膨潤した筋構造は部分的な粗密構造をとることが観察され、これが特異な物性を形成する原因であると推察された。
Kugino M, Kugino K, and Wu TZ
【学術論文】
Effect of diet on pancreas damage induced by excess lysine.
1992/03 共著 Nutrition Research, 第12巻 P395- 405
【概要】膵炎発症あるいはその経過や回復を電子顕微鏡下の観察によって組織学的に検証し、膵炎の経過に個体の栄養状態がどのように関わるのかを検索した。栄養状態の異なるラットへリジンを過剰投与して膵障害を誘起させたところ、低栄養状態において膵炎は重篤であり、腺房細胞の壊死像が広範に観察されたが、膵炎の特徴でもある合併症としての他の臓器障害は比較的軽微であった。一方、良好な栄養状態では膵炎自体は軽微であったものの、合併症の所見が多く観察され、多くの点で異なった膵炎像を呈することが明らかとなった。
Kugino K and Kishino Y
【学術論文】
Effect of voluntary exercise on the pancreatic function of rats.
1991/10 共著 Nutrition Research, 第11巻 P1273-1283
【概要】膵組織の生理機能に及ぼす運動の影響を、ラットを用いて、組織学的に検討した。その結果、運動群の膵線房細胞では緻密な小胞体の構築やミトコンドリアの増成が観察され、細胞の代謝亢進を示唆する所見がみられた。また、膵重量と膵液分泌量の増加、膵液中消化酵素活性の上昇が認められる一方で、膵組織単位重量中のDNA量、たんぱく量、膵酵素活性は低値であった。以上のことから、身体運動は細胞肥大を主因とした膵腺房組織の拡大を引き起こし、膵酵素の合成・分泌を亢進させることが示唆された。
Kugino K and Kishino Y
【学術論文】
Induction of mitochondrial swelling in isolated pancreatic acini by excess lysine. 「博士論文」
1989/12 共著 Tokushima Journal of Experimental Medicine, 第36巻 P71-80
【概要】膵炎の発症メカニズムを組織学的に明らかにするため、リジン誘発性膵障害をモデルとして、その障害過程を初代培養細胞にて検証した。分離した膵線房およびミトコンドリアに対するリジンの直接的影響を培養系で再現し、主に電顕的観察によって検索したところ、培地中に添加されたリジンは短時間のうちに選択的大量に膵線房細胞に取り込まれることが明らかとなった。細胞内に過剰蓄積されたリジンはミトコンドリアを標的小器官として選択的に阻害して、エネルギー合成を不能とし、徐々に膵線房細胞の変性・壊死を惹起することが示唆された。
Kugino K and Kishino Y
【学術論文】
徳島県上那賀町住民の栄養調査
1989/12 共著 阿波学会総合学術調査報告, 第35巻 P89-101
【概要】徳島県上那賀町の林業従事者を調査対象として、血液分析・問診・栄養評価等を行った。24時間思い出し法による栄養調査により栄養摂取状況を分析した結果、いくつかのミネラルとくにカルシウムの摂取が不足しており、高齢化の進んでいる地域でもあることを考え合わせると骨粗鬆症の増加が危惧された。
久木野 憲司、他18名
【学術論文】
Incorporation pattern of lysine into the pancreas of normal and protein -deficient rats.
1989/01 共著 Nutrition Research, 第9巻 P337-343
【概要】RIでラベルしたL-リジンをラット腹腔内に投与し、リジンの吸収・代謝速度をオートラジオグラフィーにより検討した。その結果、リジンの体内への吸収は分単位で速やかに進行し、吸収量と蓄積量、およびその排出時間には著しい臓器特異性が認められた。中でも膵臓の代謝活性は他の臓器の数倍に及んだ。膵腺房細胞内に吸収されたリジンは細胞質全体に分布していたが、このことは定量的にリジンの臓器内蓄積量を測定した結果によっても証明された。
Kugino K and Kishino Y
【学術論文】
徳島県板野町住民の栄養調査
1988/12 共著 阿波学会総合学術調査報告, 第34巻 P97-110
【概要】農村地域の農業従事者を対象として、血液分析・問診・栄養評価等を行った。栄養摂取状況を分析した結果では、栄養摂取は全般に良好であったが、食塩の摂取量がとくに高く、高血圧との関係が危惧された。
小林 直道、吉岡 あや子、久木野 憲司、他12名
【学術論文】
徳島県海部町・海南町住民の栄養調査
1987/12 共著 阿波学会総合学術調査報告, 第33巻 P147-160
【概要】沿岸地域の農業従事者を対象として、血液分析・問診・栄養評価等を行った。栄養摂取状況を分析した結果では、蛋白質の摂取量は十分であるが、油脂類や鉄の摂取不足が目立つ食生活となっていた。
吉岡 あや子、久木野 憲司、他17名
【学術論文】
Effect of excess lysine-induced pan-creatitis on blood pressur of SHRSP.
1987/07 共著 Japan Heart Journal, 第28巻 P612
【概要】血圧に及ぼす膵炎の影響を高血圧自然発症ラットを用いて組織学的に検討した。その結果、膵炎症状の悪化にともなって一過性に血圧が低下する現象が認められ、その障害の著しい個体では腺房細胞の変性・壊死像が広範に観察された。また、回復期においては膵の炎症治癒が組織学的に観察されるのにともなって血圧値の改善されることが認められた。
Kishino Y, Yosioka A, and Kugino K
【その他】
膵を中心とした消化吸収能に及ぼす自発的運動の影響
2020/09 学会発表 - 第45回 日本体力医学会大会
久木野 憲司
【その他】
異なる蛋白食で飼育したラットの膵および消化吸収能に及ぼす運動の影響
2019/05 学会発表 - 第43回 日本栄養・食糧学会大会
久木野 憲司
【その他】
炭酸麻酔を利用した活魚輸送の可能性
2017/10 学会発表 - 第64回 日本家政学会九州支部大会
【その他】
炭酸麻酔を利用した魚介類の低コスト活魚輸送システム構築の可能性
2016/10 学会発表 - 第63回 日本家政学会九州支部大会
西村 志帆、宮城 源希、久木野 憲司
【その他】
鮮度の壁を越える
2016/08 講演 - ぐるなび 生産者向けセミナー
久木野 憲司
【その他】
~省エネ・低コストを実現~ CO2麻酔による活魚の長距離輸送技術
2016/04 講演 - 九州地域環境・リサイクル産業交流プラザ エコ塾
久木野 憲司
【その他】
”鮮度”を運ぶ ~ 活魚輸送技術の確立 ~
2016/03 講演 - 九州農業成長産業化連携協議会 農水産業バリューチェーンセミナー
久木野 憲司
【その他】
安全安心食材としての活魚を流通させるシステム作りに炭酸麻酔は有効か
2014/10 学会発表 - 平成26年度 日本栄養・食糧学会九州・沖縄支部大会
田丸静香、久木野憲司
【その他】
皮質骨と海面骨に及ぼすスリムダイエット(絶食)の影響
2011/10 学会発表 - 第58回 日本家政学会九州支部大会
山本 愛希子、吉村 彩、島袋 友子、久木野 憲司
【その他】
ラットの内臓脂肪と皮下脂肪に及ぼすスリムダイエット(絶食)の影響
2011/10 学会発表 - 第58回 日本家政学会九州支部大会
島袋 友子、山本 愛希子、吉村 彩、久木野 憲司
【その他】
ラットの臓器観察から スリムダイエット(絶食)の影響を検索する
2011/10 学会発表 - 第58回 日本家政学会九州支部大会
吉村 彩、島袋 友子、山本 愛希子、久木野 憲司
【その他】
スリムダイエット(絶食)はマウスの身体行動パターンと脳組織構造に変化をもたらすか
2011/09 学会発表 - 平成23年度 日本栄養・食糧学会九州・沖縄支部大会
久富 裕子、久木野 憲司、黒川 衛
【その他】
透明生体組織が死後に不透明に変化する組織学的メカニズム
2010/09 学会発表 - 第57回 日本家政学会九州支部大会
久木野 憲司、久木野 睦子
【その他】
ラットを用いたスリムダイエット(絶食)中における骨・筋の変化
2009/10 学会発表 - 第56回 日本家政学会九州支部大会
久木野 憲司
【その他】
モンゴル自治区にすむ中年女性の体格と食生活
2008/11 学会発表 - 第62回 日本栄養・食糧学会大会
南里 妃名子、水沼 俊美、康 荻、古川 恵子、金子 真紀子、久木野 憲司、金 海栄、立石 純子、安江 峰歌、于 維漢、于 秉柯
【その他】
絶食期及びリバウンド期における個体の骨密度の推移
2008/10 学会発表 - 第55回 日本家政学会九州支部大会
宮崎 絵里奈、天野 由梨、久木野 憲司
【その他】
軟X線画像解析によるラットの絶食期およびリバウンド期の筋組織重量変動
2008/10 学会発表 - 第55回 日本家政学会九州支部大会
天野 由梨、宮崎 絵里奈、久木野 憲司
【その他】
カニクイザルを用いた中大脳動脈閉塞による遅発性神経障害の病理組織学的検討
2006/07 学会発表 - 第33回日本トキシコロジー学会学術年会
廣内 康彦、鈴木 詠子、光岡 ちほみ、金海 栄、北島 俊一、榎本 眞、久木野 憲司
【その他】
カニクイザルを用いたVMH破壊による肥満の検討
2005/12 学会発表 - 第1回霊長類医科学フォーラム
廣内 康彦、鈴木 詠子、光岡 ちほみ、金 海栄、北島 俊一、榎本 眞、久木野 憲司
【その他】
中国黒竜江省の都市と農村女性における栄養・骨成長・骨密度
2004/05 学会発表 - 第58回 日本栄養・食糧学会大会
久木野 憲司、水沼 俊美、金子 真紀子、中島 滋
【その他】
中国黒龍江省の都市と農村における世代別栄養摂取状況と骨強度
2003/05 学会発表 - 第55回 日本家政学会大会
薬師神 江利、前田 恭子、水沼 俊美、于 維漢、久木野 憲司
【その他】
輸送方法が異なる貯蔵イカの筋組織構造と破断特性
2003/05 学会発表 - 第55回 日本家政学会大会
久木野 睦子、久木野 憲司
【その他】
中国黒龍江省の都市と農村女性における世代別の骨成長と骨密度
2003/05 学会発表 - 第55回 日本家政学会大会
前田 恭子、薬師神 江利、水沼 俊美、于 維漢、久木野 憲司
【その他】
ラットの骨成長に及ぼす絶食の影響について
2000/10 学会発表 - 第47回 日本家政学会九州支部大会
久木野 憲司、久木野 睦子
【その他】
ラット小腸のACh-刺激収縮能に及ぼす運動と栄養の効果について
1997/09 学会発表 - 第51回 日本栄養・食糧学会西日本支部会
久木野 憲司、鈴木 公
【その他】
平成7年度科学研究費補助金の研究成果報告書
1996/03 報告書 単著 長期の食事習慣と骨の粗鬆化との関係についての実践的研究 (課題番号-07780083) 第41回 日本栄養・食糧学会大会
【その他】
骨粗鬆症予防マニュアル
1996/03 報告書 共著 山口県環境保健部 A4版 総頁数95
(編集)池本 和人、岡 紳爾、小田 裕胤、加来 浩平、河合 洋裕、久木野 憲司、高杉 信義、滝川 洋子(執筆)恵比須 勝美、他10名
【その他】
平成6年度科学研究費補助金の研究成果報告書
1995/03 報告書 単著 骨強度に及ぼす食事ダイエットと運動の影響(課題番号-06780122) 第194回 徳島医学会冬季総会
【概要】骨強度に及ぼす食事ダイエットと運動の影響(課題番号-06780122)
【その他】
運動による消化器系機能亢進に及ぼす食事蛋白レベルの影響
1994/09 学会発表 - 第27回 日本栄養・食糧学会中国四国支部会
久木野 憲司、奥田 義博
【その他】
平成5年度科学研究費補助金の研究成果報告書
1994/03 報告書 単著 骨粗鬆症の予防に対する運動と栄養の役割り(課題番号-05780119) 第20回 日本栄養・食糧学会中国四国支部会
【その他】
平成4年度科学研究費補助金の研究成果報告書
1993/03 報告書 単著 骨の成長と骨強度との関係 (課題番号-04780165) 第19回 日本栄養・食糧学会中国四国支部会
【その他】
コレステロール代謝に及ぼす海藻多糖類の影響
1991/04 紀要 共著 佐賀女子短期大学紀要, 第25巻 P109-114
【概要】コレステロール代謝に及ぼす海藻多糖類の影響を調べた。2~3の海藻類について、これらの摂取が血中・肝臓中のコレステロールと中性脂質を低下させ、糞中ステロールを増加させる効果を有することが示された。
久木野 憲司、水江 文香
【その他】
初代培養膵腺房細胞に及ぼす塩基性アミノ酸過剰添加の影響
1991/04 紀要 単著 佐賀女子短期大学紀要, 第25巻 P115-119
【概要】 輸液などに用いられる高濃度アミノ酸の細胞障害性を、初代培養膵腺房細胞を用いたin vitro系の直接的実験によって検討した。直接的な細胞障害性は塩基性アミノ酸にのみ認められ、細胞内に大量・急激に侵入したカチオン分子が膜透過性を変化させてミトコンドリアの膨化を誘起し、呼吸機能の障害、細胞壊死を引き起こしたことが示唆された。
【その他】
リジン過剰投与によるラット膵障害に及ぼす食餌中蛋白の質および量の影響
1988/09 学会発表 - 第19回 日本膵臓学会年次大会
久木野 憲司、岸野 泰雄
【その他】
異なるタンパク食で飼育したラットの運動による膵の変化
1988/09 学会発表 - 第21回 日本栄養・食糧学会中国四国支部会
久木野 憲司
【その他】
リジン大量投与による実験的膵炎発症に及ぼす食餌の影響
1988/05 学会発表 - 第42回 日本栄養・食糧学会大会
久木野 憲司、岸野 泰雄
【その他】
Effect of diet on pancreas damage induced by excess lysine.
1988/03 学会発表 - Xth International Congress of Dietetics
Kugino K, Kishino Y
【その他】
分離膵腺房細胞に対するリジン過剰添加の影響
1987/12 学会発表 - 第194回 徳島医学会冬季総会
久木野 憲司、岸野 泰雄:
【その他】
in vitro での各種アミノ酸の膵腺房細胞に及ぼす影響
1987/09 学会発表 - 第20回 日本栄養・食糧学会中国四国支部会
久木野 憲司、岸野 泰雄:
【その他】
リジン大量注射による膵障害に関する研究
1987/05 学会発表 - 第41回 日本栄養・食糧学会大会
久木野 憲司、岸野 泰雄:
【その他】
リジン投与時の膵腺房細胞への取り込みに関する研究
1986/09 学会発表 - 第19回日本栄養・食糧学会中国四国支部会
久木野 憲司、岸野 泰雄
研究シーズ
特許・発明
「魚介類の麻酔方法および装置」
特許第5897133号 2016/03/11
【概要】 発明者:久木野憲司、久木野睦子、朝倉富子
Title of invention: Method and device for anesthetizing fish
Patent number: 11201606587S 2017/06/15
【概要】 IP Singapore
Name of inventor(s): KUGINO KENJI, KUGINO MUTSUKO, ASAKURA TOMIKO
Name of inventor(s): KUGINO KENJI, KUGINO MUTSUKO, ASAKURA TOMIKO
Title of invention: Method and device for anesthetizing fish
Patent number: 11201606587 2018/01/03
【概要】 IP Australia
Name of inventor(s): KUGINO KENJI, KUGINO MUTSUKO, ASAKURA TOMIKO
Name of inventor(s): KUGINO KENJI, KUGINO MUTSUKO, ASAKURA TOMIKO
教育活動・社会活動
担当科目シラバス
問い合わせ先
西九州大学グループ
※ 健康栄養学部・健康福祉学部・リハビリテーション学部に関しては
Tel. 0952-52-4191
※ 子ども学部・短期大学部に関しては
Tel. 0952-31-3001
※ 看護学部に関しては
Tel. 0952-37-0249
Tel. 0952-52-4191
※ 子ども学部・短期大学部に関しては
Tel. 0952-31-3001
※ 看護学部に関しては
Tel. 0952-37-0249