科目名 | 臨床薬理学 |
ナンバリング | |
担当者 | 藤戸 博 |
開設学科 専攻・コース |
看護学科 |
分類 | 専門教育科目 専門基礎科目 |
関連する 資格・免許 |
養護教諭一種免許状 |
開講キャンパス | 開講年次 | 開設期 | 単位数 | 必修・選択 |
小城 | 2年 | 前期 | 2単位 | 必修 |
授業の概要 及びねらい |
病気の治療や予防に欠かせない薬物について、看護師として臨床で薬物療法に関わった時に、患者や家族に分かりやすく説明し、また医療事故を未然に防止して、安全・安心で効果的な薬物治療を実施できるよう、薬物の薬理作用や副作用、有害作用、投与方法、体内動態、薬物投与計画、服薬指導、医療事故事例などを概説する。またインターネット上には健康に関する情報が溢れており、医薬品や健康食品などに関するフェイクニュースも多いため、その真偽を見極めるために事例を紹介する。更に在宅で薬物療法中の患者の様態変化への対処や、またチーム医療や地域医療における他の医療介護職との協働についても概説する。 |
実務経験に 関連する 授業内容 |
薬剤師として大学病院の薬剤部において40年程の実務経験があり、実際の臨床現場における薬物療法や薬物が関わった医療事故に対するリスクマネジメント、医学生や薬学生の臨床実習の指導など、薬物が関係するあらゆる薬剤部の業務に精通している。このため看護師が薬物療法に関する業務を行う上で重要なポイントや注意点などを、実際の臨床事例を交えて講義を行う。 |
授業の 到達目標 |
1)薬物の薬理作用と副作用が発現する機序を理解し、個人差との関連についても説明することができる。2)薬物の体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)と、薬物や食物などとの相互作用について説明することができる。3)特殊な状態(肝障害、腎障害、小児、高齢者、妊娠中など)の患者への投薬時の注意点を説明することができる。4)最新の医薬品に関する情報を入手し、医療事故防止などへの活用方法を説明することができる。5)コンプライアンス、アドヒアランスについて理解し、服薬指導の重要性を説明することができる。6)在宅患者の薬物による有害作用をチェックし、その対応について説明することができる。7)チーム医療、地域医療での薬剤師との連携について説明することができる。8)看護師業務に必要な消毒薬の希釈調製や点滴の滴下速度などの計算を正しくできる。9)麻薬および向精神薬取締法などの医薬品関連法規の内容を理解する。10)個々の医薬品について分類し、作用機序、効果と副作用、臨床応用、投与方法、使用上の注意について理解し説明することができる。11)医薬品開発時の臨床試験(治験)の実際および重要性について説明することができる。 |
学習方法 | 各テーマに沿って質疑応答を交えながら講義を行うとともに、最新の医薬品情報の収集ではスマホを使用した実習を行うなど学生主体の講義を行う。臨床薬理学の総論はスライドを使った講義が主となるが、各論についてはテキストとともに独自に作成した医薬品リストを活用することにより、理解を深めるようにする。 |
テキスト及び 参考書籍 |
〔テキスト〕系統看護学講座 薬理学 吉岡充弘 医学書院 〔参考書〕カラーイラストで学ぶ くすりの作用メカニズム 平野和行 医学書院、薬がみえる VOL.1~3 野元正弘 メデックメディア |
到達目標 | |||||||||||||||||||||||||
汎用的能力要素 | 専門的能力要素 | ||||||||||||||||||||||||
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
合計 | |||||||||||||||||
1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | ||
比率 | 10 | 70 | 20 | 100 | |||||||||||||||||||||
評価基準・方法 | 評価 割合 % |
||||||||||||||||||||||||
定期試験 | ◎ | ○ | 70 | ||||||||||||||||||||||
小テスト等 | |||||||||||||||||||||||||
宿題・授業外レポート | ○ | 10 | |||||||||||||||||||||||
授業態度 | ○ | 10 | |||||||||||||||||||||||
受講者の発表 | ○ | 10 | |||||||||||||||||||||||
授業の参加度 | |||||||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||
合計 | 100 |
(表中の記号 ○評価する観点 ◎評価の際に重視する観点 %評価割合)
授業計画(学習内容・キーワードのスケジュール) | ||
第1週 | 事前学習(予習) | キーワード:病気治療と薬物,薬物の起源,後発医薬品,一般用医薬品,健康食品,ネット情報,医薬品のネット購入、偽造医薬品 |
授業 | 総論①「クスリとは?」薬物の起源 | |
事後学習(復習) | 配布資料にテキストの頁を記載しているので参照 | |
第2週 | 事前学習(予習) | キーワード:漢方薬,薬物の作用と使用目的 |
授業 | 総論② 西洋医学・東洋医学で使用される薬物 | |
事後学習(復習) | 配布資料にテキストの頁を記載しているので参照 | |
第3週 | 事前学習(予習) | キーワード:薬物療法における看護師の役割,アドヒアランス,医療事故の防止 |
授業 | 総論③ 看護師の役割とリスクマネジメント | |
事後学習(復習) | 配布資料にテキストの頁を記載しているので参照 | |
第4週 | 事前学習(予習) | キーワード:薬理作用,薬物受容体,体内動態,相互作用,小児・高齢者・妊婦 |
授業 | 総論④ 薬物の作用機序と体内動態 | |
事後学習(復習) | 配布資料にテキストの頁を記載しているので参照 | |
第5週 | 事前学習(予習) | キーワード:副作用,催奇形性,添付文書,投与方法,PMDA |
授業 | 総論⑤ 薬物の副作用と医薬品情報の入手の仕方(机上実習) | |
事後学習(復習) | 配布資料にテキストの頁を記載しているので参照 | |
第6週 | 事前学習(予習) | キーワード:医薬品管理,医薬品関係法規,治験,剤形,チーム医療,地域医療連携 |
授業 | 総論⑥ 医薬品の管理と他職種との連携 | |
事後学習(復習) | 配布資料にテキストの頁を記載しているので参照 | |
第7週 | 事前学習(予習) | キーワード:抗生物質,抗菌スペクトル,耐性菌,病院内感染,BLS,STD,消毒薬 |
授業 | 各論① 抗感染症薬,院内感染,消毒薬 | |
事後学習(復習) | テキスト:P.65~93,P.297~302,P.278 | |
第8週 | 事前学習(予習) | キーワード:抗がん薬,分子標的薬,支持療法,麻薬,除痛ラダー,下剤,制吐薬 |
授業 | 各論② 抗がん薬,がん性疼痛の管理,麻薬,消化器作用薬(制吐薬,止瀉薬) | |
事後学習(復習) | テキスト:P.95~108,P.181~186,P.238~240 | |
第9週 | 事前学習(予習) | キーワード:免疫,G-CSF,ワクチン,抗原抗体反応,抗ヒスタミン薬,消化性潰瘍,抗アレルギー薬,気管支喘息,アトピー性皮膚炎,花粉症 |
授業 | 各論③ 免疫抑制薬,免疫増強薬,抗ヒスタミン薬,抗アレルギー薬 | |
事後学習(復習) | テキスト:P.109~125,P.224,P.230~234 | |
第10週 | 事前学習(予習) | キーワード:炎症,非ステロイド性抗炎症薬,ステロイド,プロスタグランジン,リウマチ |
授業 | 各論④ 抗炎症薬(非ステロイド゙性・ステロイド性) | |
事後学習(復習) | テキスト:P.126~136 | |
第11週 | 事前学習(予習) | キーワード:交感神経作用薬,副交感神経作用薬,末梢神経作用薬,筋弛緩薬,局所麻酔薬 |
授業 | 各論⑤ 自律神経作用薬,体制神経作用薬 | |
事後学習(復習) | テキスト:P.137~156 | |
第12週 | 事前学習(予習) | キーワード:麻酔,不眠症,ベンゾジアゼピン,抗精神病薬,うつ病,パーキンソン病,てんかん |
授業 | 各論⑥ 中枢神経作用薬(麻酔薬・精神薬) | |
事後学習(復習) | テキスト:P.157~181 | |
第13週 | 事前学習(予習) | キーワード:高血圧,狭心症,心不全,不整脈,利尿薬,抗血液凝固薬,血栓溶解薬,貧血 |
授業 | 各論⑦ 循環器・血液作用薬 | |
事後学習(復習) | テキスト:P.189~228 | |
第14週 | 事前学習(予習) | キーワード:性ホルモン,糖尿病,高LDLコレステロール血症,甲状腺機能異常症,下垂体ホルモン |
授業 | 各論⑧ ホルモン系作用薬,物質代謝作用薬,糖尿病治療薬,脂質異常症治療薬 | |
事後学習(復習) | テキスト:P.213~216,P.249~261 | |
第15週 | 事前学習(予習) | キーワード:経口避妊薬,不妊,排尿障害,前立腺肥大,ビタミン,過剰症,軟膏,点眼薬,緑内障,救急医薬品,輸液製剤,血液製剤 |
授業 | 各論⑨ 生殖器作用薬,ビタミン,外用薬(皮膚科・眼科),救急治療薬,輸液 | |
事後学習(復習) | テキスト:P.241~248,P.261~264,P.265~287, P.303~326 |
※事前・事後学習の時間は、講義科目は各90分、演習・実験・実習科目は各30分を原則とする。
※課題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行います。
備考 | 臨床薬理学の授業では、科目(単位認定)試験や国家試験に合格するための知識のみを覚えるのではなく、将来、自分が看護師業務において薬物が関わる問題が生じた時に、自分で考えて正しい判断ができるように、薬物に関する考え方の基本を学んでもらいたい。 また、臨床薬理学では、「先生が教える」のではなく、「学生が学ぶ」というスタンスで授業を行います。そのため、予習や復習をしっかりして、授業中に質問されたら学生は速やかに答えて下さい。 総論は主にスライドを用いて、また各論はテキストを中心に講義を行います。また、授業時に私製の医薬品集を渡す予定ですが、授業の時には忘れずに持って来て下さい。なお、この医薬品集は臨床実習や国家試験の勉強でも活用して下さい。 臨床薬理学の授業時には、重要な箇所に線を引くためのマーカーを持って来て下さい。 |