科目名 | 聴覚障害者の言語障害指導 |
ナンバリング | PC_B2_16 |
担当者 | 今村 亜子 |
開設学科 専攻・コース |
心理カウンセリング学科 |
分類 | 専門教育科目 専門基幹科目及び専門展開科目 |
関連する 資格・免許 |
特別支援学校教諭一種免許状(知的障害者・肢体不自由者及び病弱者) |
開講キャンパス | 開講年次 | 開設期 | 単位数 | 必修・選択 |
佐賀 | 3年 | 前期 | 1単位 | 選択必修 |
授業の概要 及びねらい |
聴覚障害についての基礎知識を学び、言語やコミュニケーション発達との関連を理解する。聴覚活用について理解を深める。実際に「きこえない・きこえにくい」子どもたちと接することを想定して教材を選択、作成、発表する。きこえをテーマとした課題に取り組み、自分の意見をまとめ、他の人の考えと照合しながら話し合いを通じて指導場面を組み立てる。(絵本、一枚絵、酢話、みみをすます)。聴覚障害に関する知識や技術をつなげ、言語・コミュニケーションの発達に関わるときの大切なポイントについて学ぶ。言語・コミュニケーションに関する指導や支援が、聴覚障害をもつ人たちの社会参加や自立にどのような関わりがあるのか事例を通じて学ぶ。 |
実務経験に 関連する 授業内容 |
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授業の 到達目標 |
1)聴覚障害の基礎知識を学び、「きこえ」の制約がことばの発達に与える影響を理解する。 2)オージオグラムから、聞こえの状態を推測する力を身につける。補聴器の仕組みを理解する。 3)音声と聞こえの基礎知識を学び、きこえの発達、ことばの発達について説明できる。 4)「きこえない・きこえにくい」子どもたちの学校生活について考察し、配慮の必要性を理解する。 5)言語指導法、評価方法について学び、トータルコミュニケーションを理解する。 6)立案した指導場面を実践しながら、知識と技術との統合について考える機会とする。 7)早期教育の基礎知識をもとに指導内容をグループで考案し、体験しながら、知識と技術を習得する。 8)言語能力と指導法の基礎知識を学び、「語彙」と「構文」の発達を促す指導を考える。 9)「みみをすます」体験を吟味し、聞こえること、聞こえないことについて考察する。 |
学習方法 | 事前に教科書を読み予備知識を得ておく。「みみをすます」ということをテーマに様々な角度から吟味する。、言語発達段階やコミュニケーションの発達に関する理解を深めつつ、実際に「絵本」「1枚絵」などの教材を用いて、聴覚活用の重要性を理解する。復習によって、知識と技術の接点を見出す。 |
テキスト及び 参考書籍 |
[改訂版 聴覚障害児の言語指導~実践のための基礎知識~」我妻敏弘 他県出版㈱ 配布資料あり |
到達目標 | |||||||||||||||||||||||||
汎用的能力要素 | 専門的能力要素 | ||||||||||||||||||||||||
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
合計 | |||||||||||||||||
1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | ||
比率 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 100 | ||||||||||||||
評価基準・方法 | 評価 割合 % |
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定期試験 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 50 | |||||||||||||||||||
小テスト等 | ○ | 10 | |||||||||||||||||||||||
宿題・授業外レポート | ○ | 10 | |||||||||||||||||||||||
授業態度 | ◎ | ○ | 10 | ||||||||||||||||||||||
受講者の発表 | ○ | ◎ | ◎ | 10 | |||||||||||||||||||||
授業の参加度 | ○ | ○ | ◎ | 10 | |||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||
合計 | 100 |
(表中の記号 ○評価する観点 ◎評価の際に重視する観点 %評価割合)
授業計画(学習内容・キーワードのスケジュール) | ||
第1週 | 事前学習(予習) | 聴覚障害、聴覚活用に関する予備知識を得ておくく(教科書p5~p7) |
授業 | 聴覚障がいの基礎知識について学ぶ。「みみをすます」ことについて吟味する | |
事後学習(復習) | 聴覚、聴力、聴能、聴覚伝導路、伝音性難聴、感音性難聴について説明できる | |
第2週 | 事前学習(予習) | オージオグラム、補聴器について予備知識を得ておく(教科書p8~p23) |
授業 | 気導、骨導の意味を理解する。事例紹介を通じて社会参加の実際を知る。 | |
事後学習(復習) | 聴覚障害の種類、きこえの制約が言語獲得に与える制約を整理する。 | |
第3週 | 事前学習(予習) | 音声と聞こえに関する予備知識を得ておく(教科書p24-38) |
授業 | 話しことばの受容について学ぶ。詩聴覚障害ヘレン・ケラーの言語獲得を考える(配付資料) | |
事後学習(復習) | 言語の恣意性、二重分節性、線状性について、言語獲得の観点から説明できる。 | |
第4週 | 事前学習(予習) | 「語彙」「構文」「読解」「作文」の指導について予備知識を得ておく(教科書p108-156該当箇所) |
授業 | 聴覚障害児の言語の様々な側面の問題を理解し、学校生活への影響を考える。素話の発表。 | |
事後学習(復習) | 「語彙」「構文」「読解」「作文」指導の配慮点をまとめる | |
第5週 | 事前学習(予習) | 言語指導の基礎に関する予備知識を得ておく(教科書p39-p60該当箇所) |
授業 | さまざまな指導法を知るとともにトータルコミュニケーションについて理解する | |
事後学習(復習) | きこえない・きこえにくいこどもたちが学級にいることを前提とした授業を考える | |
第6週 | 事前学習(予習) | 「難聴の子どもに読んで聞かせたい絵本」(配布資料)から本を選ぶ(教科書p108-156該当箇所) |
授業 | 「絵本」とことばの発達の関係を考察しながら、読み聞かせ場面をプランニングし発表する | |
事後学習(復習) | 発表した内容について、良かった点、改善点を整理する | |
第7週 | 事前学習(予習) | 早期教育の基礎について予備知識を得ておく(教科書p61-p70該当箇所) |
授業 | 聴覚活用について学び、教材としての「一枚絵」を作成する | |
事後学習(復習) | 「一枚絵」課題を見直して提出する | |
第8週 | 事前学習(予習) | 「ことばを育てる」「できることを積み重ねる」教科書p157-164) |
授業 | ここまで学んだことを振り返る、「みみをすます」の詩に続くフレーズを加えて発表する | |
事後学習(復習) | キーワード、重要概念を振り返り、聴覚障害児の豊かな学校生活を考える |
※事前・事後学習の時間は、講義科目は各90分、演習・実験・実習科目は各30分を原則とする。
※課題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行います。
備考 | 「きこえない、きこえにくい」子どもたちへの理解と支援を学びます。指定された教科書の箇所は事前に読んで予備知識を得てください。「みみをすます」ということを様々な角度から吟味していきましょう。療育・指導場面を想定して、「絵本」「1枚の絵」「素話」などの活用を学びます。言語指導や聴覚活用を理解していく中で自分自身の変化に気づくことができれば、それを手掛かりに、興味関心を広げ、知識の吸収につなげてください。実際に聴覚障害のある方に出会ったことがなくても、想像力を働かせて、子どもの反応を予測しながら、どのような配慮が必要か、話し合ったり、対話しながら習得していきましょう。聴覚障害があるこどもが、聴者集団の中で活動するときに、みんなと同じように学習活動に参加できるには、どうすればよいのか、みなさんの目線もいかしながら意見を出し合ってください。制約や制限があるかを知り、それを少しでも解除していく方向性で解決策を見出していく志向性を期待しています。 |