科目名 | 教育史特論 |
ナンバリング | MC_B2_01 |
担当者 | 香川 せつ子 |
開設学科 専攻・コース |
生活支援科学研究科 子ども学専攻 |
分類 | 選択科目 教育分野 |
関連する 資格・免許 |
開講キャンパス | 開講年次 | 開設期 | 単位数 | 必修・選択 |
佐賀 | 1年 | 前期 | 2単位 | 選択必修 |
授業の概要 及びねらい |
本講義では、教育が社会全体に埋めこまれた機能であることをふまえて、比較教育社会史的な観点から子育てと教育の実態と機能について考察する。授業の前半では、まず子どもと教育に関する研究の動向を大まかに把握し、次に日本の古代から江戸、明治以降の子育てと教育の歴史を辿る。後半では、欧米における子ども学、教育学研究の系譜から子ども研究への多様なアプローチを学び、古代から現代までの子ども観の歴史をテキストに沿って紐解く。現代の子どもの生活と対比しながら、子どもをめぐる諸問題を歴史に遡り考察する。 |
実務経験に 関連する 授業内容 |
歴史は現在と過去との対話であることをふまえ、机上の理論や知識としてのみ把握するのではなく、子どもにかかわる保育者としての眼を養い、教育・保育の実践に反映できる授業としたい。そのために学生自身の経験や意見の交換、ディスカッション等に十分な時間をあてる。これまでに実務経験のある者、これから実務に就こうとする者、双方が自由で活発な議論を展開することを期待する。 |
授業の 到達目標 |
1.子ども史研究の視点と方法を理解する。 2.比較教育史の視点と方法を理解する。 3.子どもと家族、教育、福祉の在り方を歴史的文脈において考察することができる。 4.日本における子育てと子ども観の歴史的変化を理解する。 5.欧米の社会と文化から生まれた子育ての習俗や教育思想の淵源を知り、日本の場合と比較検討できる。 6.様々な時代背景のなかで国家、階級、ジェンダー、民族によって異なる教育が行われたことを理解する。 7.グローバル化の進行によって生まれる子どもの生活と教育の格差、今日的課題を世界史的視野から理解し、解決の方向性について考えることができる。 8.テキストや講義の内容を的確に理解し、自分の研究テーマと関連づけて考察することができる。 9.過去の歴史をふまえて、現代の子どもや教育に対する理解を深め、多面的に考察することができる。 10.授業で学んだことを教育・保育の実践に活かすことができる。 |
学習方法 | テキストおよび関連論文の精読と解説やレポートを軸に、学生自身の子どもや教育に関する経験と絶えず照らし合わせながら、各回のテーマに関連する自由な論議を展開する。 |
テキスト及び 参考書籍 |
ヒュー・カニンガム著(北本正章訳)『概説 子ども観の社会史―ヨーロッパとアメリカにみる教育・福祉・国家』、新曜社。 野上暁『子ども学 その源流へ―日本人の子ども観はどう変わったか』大月書店。 |
到達目標 | |||||||||||||||||||||||||
汎用的能力要素 | 専門的能力要素 | ||||||||||||||||||||||||
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
合計 | |||||||||||||||||
1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | ||
比率 | 5 | 40 | 20 | 10 | 20 | 5 | 100 | ||||||||||||||||||
評価基準・方法 | 評価 割合 % |
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定期試験 | |||||||||||||||||||||||||
小テスト等 | |||||||||||||||||||||||||
宿題・授業外レポート | ◎ | ◎ | ○ | 40 | |||||||||||||||||||||
授業態度 | ○ | ○ | ○ | ○ | 10 | ||||||||||||||||||||
受講者の発表 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 40 | ||||||||||||||||||||
授業の参加度 | ○ | ○ | 10 | ||||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||
合計 | 100 |
(表中の記号 ○評価する観点 ◎評価の際に重視する観点 %評価割合)
授業計画(学習内容・キーワードのスケジュール) | ||
第1週 | 事前学習(予習) | 配布資料を読む |
授業 | 子ども学、教育学と子ども史研究の意義と目標 | |
事後学習(復習) | 資料と講義内容の要点を整理する | |
第2週 | 事前学習(予習) | 配布した資料を読む |
授業 | 子どもへの教育史によるアプローチ史 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第3週 | 事前学習(予習) | 配布資料の該当部分を読む |
授業 | 日本と欧米における子ども史研究の系譜 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第4週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 日本の古代・中世社会と子ども | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第5週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 江戸時代の子どもと教育 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第6週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 明治期・公教育制度の開始と子ども期の変化 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第7週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 大正・昭和期の子どもと教育 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第8週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 欧米における子ども研究の系譜 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第9週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 古代と中世ヨーロッパの子ども観 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第10週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 近代教育思想と子ども観 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第11週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 産業社会と公教育制度の成立 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第12週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 児童労働と子どもの保護、福祉 | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第13週 | 事前学習(予習) | 配布資料、テキストの該当部分を読む |
授業 | 子どもの権利の擁護に向けて | |
事後学習(復習) | 講義内容の要点を整理する | |
第14週 | 事前学習(予習) | 自分の研究テーマと関連付けながら、授業で学んだ内容を振り返る |
授業 | 変化する現代社会と子どもの日常 | |
事後学習(復習) | 授業における論議の内容を整理する | |
第15週 | 事前学習(予習) | レポートをまとめる |
授業 | 保育・教育の課題ー未来の子どもの幸福のために | |
事後学習(復習) | 授業での意見交換、教員のコメントをもとに講義全体をふり返る |
※事前・事後学習の時間は、講義科目は各90分、演習・実験・実習科目は各30分を原則とする。
※課題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行います。
備考 | 授業計画の内容は各回でとりあげる中心テーマを示しています。授業計画は予定であり、受講者の問題意識や進度に応じて変更する場合もあります。 受講者は事前に資料やテキストを読み込むことが必要であり、1週間当たり最低2時間を事前・事後学習に宛ててください。 レポート課題は、①授業時に発表するもの、②最終授業後に提出するもの、二通りあります。①は授業時間時に教員がコメント、②は教員がコメントと添削をつけて返却します。 |