科目名 | 日本語による研究支援(基礎) |
ナンバリング | |
担当者 | 古賀 弘毅 |
開設学科 専攻・コース |
生活支援科学研究科 地域生活支援学専攻(博士前期課程) |
分類 | 留学生科目 研究支援 |
関連する 資格・免許 |
開講キャンパス | 開講年次 | 開設期 | 単位数 | 必修・選択 |
神埼 | 1年 | 前期 | 1単位 | 選択 |
授業の概要 及びねらい |
本科目は、各学生の日本語による研究、研究の論文の形での執筆を支援する。学生が研究とはどのような知的作業かの基礎を知り、学生が問題を発見し証拠を収集し主張を論証すること、つまり、研究の前半―1)構想し調べる,2) 論文の目標を規定する,3)アウトラインを作る―を体験できるように講義がなされる。 |
実務経験に 関連する 授業内容 |
3年半、出版社における教育雑誌編集の経験を持つ教員が、受講生が研究結果を読者に理解できるように執筆することを支援する。 |
授業の 到達目標 |
・研究とは従来の知識がどう現象を説明するかを計算し、その予測に問題点を見つけ、自分の主張(知見)を提案し、問題点を解決することであると知る。 ・研究活動の前半部、1)論文の構想を練り、2)情報や証拠を収集し、3)論文の目標規定文を一文にまとめ、4)論文全体のアウトラインを作ることを体験する。 |
学習方法 | 各学生は、読者が研究と論文執筆の過程を体験する教科書を一緒に読み、それぞれのプロセスを自分の修士の研究及び論文執筆に応用していく。教科書を何度も読んでよく内容を理解する。自分の論文への応用により、論文の構想を練り、情報や証拠を収集し、論文の目標規定文をまとめ、書き、論文のアウトラインを作る。 |
テキスト及び 参考書籍 |
教科書:『ぴあで学ぶ大学生の日本語表現:プロセス重視のレポート作成』第2版 大島他著 参考書:『理科系の作文技術』木下是雄著、『佐賀西部方言を科学しよう!』(第1章のみ) |
到達目標 | |||||||||||||||||||||||||
汎用的能力要素 | 専門的能力要素 | ||||||||||||||||||||||||
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
合計 | |||||||||||||||||
1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | ||
比率 | 60 | 40 | 100 | ||||||||||||||||||||||
評価基準・方法 | 評価 割合 % |
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定期試験 | |||||||||||||||||||||||||
小テスト等 | |||||||||||||||||||||||||
宿題・授業外レポート | ◎ | ◎ | 35 | ||||||||||||||||||||||
授業態度 | ◎ | ◎ | 15 | ||||||||||||||||||||||
受講者の発表 | ◎ | ◎ | 35 | ||||||||||||||||||||||
授業の参加度 | ◎ | ◎ | 15 | ||||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||
合計 | 100 |
(表中の記号 ○評価する観点 ◎評価の際に重視する観点 %評価割合)
授業計画(学習内容・キーワードのスケジュール) | ||
第1週 | 事前学習(予習) | 授業箇所(2冊の本の該当箇所)を読んでくる |
授業 | 大島他 Ch1 論文とは何か(1-3)、木下 Ch1 序章;Ch 10 原著論文(10-3) | |
事後学習(復習) | 論文とは何かをよく考え、ひとつ質問を考え、次回の授業の最初に質問する。 | |
第2週 | 事前学習(予習) | 大島他 1.1 と1.2を読んで来る。練習問題が解けるか自分の理解を試験する。 |
授業 | 古賀 (2014) 第1章「理論の演繹試験」1.1節「足し算の式の文法の理論」、1.2節「練習問題」 | |
事後学習(復習) | 従来の知識に従うと現象に関連してどんな予測がなされるかを計算することが研究の一部と知る。 | |
第3週 | 事前学習(予習) | 大島他 1.3を読んで来る。 |
授業 | 古賀 (2014) 1.3「科学理論としての文法の理論」 | |
事後学習(復習) | 従来の知識が現象に関連してそもそも予測を産むか考える。 | |
第4週 | 事前学習(予習) | 大島他 1.4と1.5を読んで来る。 |
授業 | 古賀 (2014) 1.4「科学理論だけの特性」、1.6「足し算の式の場合の現象」 | |
事後学習(復習) | 論文において自分の主張はどのような性質を持っていることが大切か考える。 | |
第5週 | 事前学習(予習) | 大島他 Ch2 の2-1と2-2を読んで来る。 |
授業 | 大島他 Ch2 レポート・論文の構成(2-1)、根拠(2-2) | |
事後学習(復習) | 論文の核心の「根拠」を自分の論文の場合は何かを考える。 | |
第6週 | 事前学習(予習) | 大島他 2-3を読んで来る |
授業 | 目的(2-3) | |
事後学習(復習) | 論文で何を言うのかをまとめることが目的だが、自分の論文の目的を考える。 | |
第7週 | 事前学習(予習) | 大島他 2.4を読んで来る。 |
授業 | テーマ(2-4) | |
事後学習(復習) | 自分の論文の場合のテーマは何かを考える。 | |
第8週 | 事前学習(予習) | 大島他 3-1を読んで来る。 |
授業 | 大島他 Ch3 構想を練る:構想を地図にする(3-1) | |
事後学習(復習) | 自分の論文の構想マップを作る。 | |
第9週 | 事前学習(予習) | 大島他 3-2を読んで来る。 |
授業 | 質問によって考えを引き出す(3-2) | |
事後学習(復習) | 自分論文の構想マップの項目においてどんな質問に答えるのかを考える。 | |
第10週 | 事前学習(予習) | 大島他 3-3と3-4を読んで来る。 |
授業 | 調べる:情報をカード化する(3-3)、情報の信頼性の検討(3-4)、図書館・インターネットの利用 | |
事後学習(復習) | 自分の論文で証拠、情報などをカード化する。自分の論文に関する論文や本を探す。 | |
第11週 | 事前学習(予習) | 大島他 4-1と4-2を読んで来る。 |
授業 | 大島他 Ch4 情報を整理する (4-1)、問いと答えを切り出す(4-2) | |
事後学習(復習) | 自分の研究の証拠や情報を整理し、何に自分は答えようとしているのか、その答えは何かを考える | |
第12週 | 事前学習(予習) | 大島他 4-3を読んで来る。 |
授業 | 目標の仮規定(4-3) | |
事後学習(復習) | 自分の研究で自分がやろうとしていることを一文(目標規定文)にまとめる。 | |
第13週 | 事前学習(予習) | 大島他 5-1と5-2を読んで来る。 |
授業 | 大島他 Ch5 目標再検討(5-1)、序論、本論、結論を設ける(5-2) | |
事後学習(復習) | 自分の論文の目標規定文を再検討する。 | |
第14週 | 事前学習(予習) | 大島他 5-3を読んで来る。 |
授業 | 文章展開を見通す(5-3) | |
事後学習(復習) | 自分の論文の展開を見通す。 | |
第15週 | 事前学習(予習) | 大島他 5-4を読んで来る。 |
授業 | アウトラインを作る(5-4) | |
事後学習(復習) | 自分の論文のアウトラインを作る。 |
※事前・事後学習の時間は、講義科目は各90分、演習・実験・実習科目は各30分を原則とする。
※課題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行います。
備考 | 修士の研究を始める前か、あるいは、修士の研究を始めたばかりの学生に役立つ科目である。この意味で大学院1年生の1学期目と2学期目、あるいは、1年生の2学期目と2年生の1学期目に履修すると、より役立つだろう。 |