科目名 | 子どもの臨床心理特別演習 |
ナンバリング | mc-d2-07 |
担当者 | 髙尾 兼利 |
開設学科 専攻・コース |
生活支援科学研究科 子ども学専攻 |
分類 | 選択科目 支援分野 |
関連する 資格・免許 |
開講キャンパス | 開講年次 | 開設期 | 単位数 | 必修・選択 |
佐賀 | 1年 | 後期 | 2単位 | 選択必修 |
授業の概要 及びねらい |
子どもの発達過程で不可避となる、心の否定的部分に焦点を当てて理解できる。特に児童虐待、不登校、いじめについて理解する。 |
実務経験に 関連する 授業内容 |
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授業の 到達目標 |
子どもの心理的発達の全体性を理解する。子どもの生活環境と心の発達の関係性を理解して上で、特に発達過程で不可避となる負ないし影の部分について理解を深める。エリクソンとユングの概念を理解したうえで、次の事項について具体的理解と対応を学ぶ。児童虐待、いじめ、不登校を主な対象とする。これらについての学習が子どもの心理的支援と教育の営みを考案、実践に資すると考える。子どもに対する臨床心理学的支援と教育に活用することを目標に学習を進める。 |
学習方法 | 子どもの発達過程での負ないし影に関する概念は講義の形態で教授する。具体的事象んい関する理解と対応は、公刊された臨床事例や授業者の自験例を教材にして、演習の形態で授業を展開する。 |
テキスト及び 参考書籍 |
鑪幹八郎「アイデンティティとライフサイクル論」ナカニシヤ出版、渡辺久子「子育て支援と世代間伝達」金剛出版 |
到達目標 | |||||||||||||||||||||||||
汎用的能力要素 | 専門的能力要素 | ||||||||||||||||||||||||
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
態度・ 志向性 |
知識・ 理解 |
技能・ 表現 |
行動・ 経験・ 創造的思考力 |
合計 | |||||||||||||||||
1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | 1) | 2) | 3) | ||
比率 | 5 | 10 | 5 | 5 | 10 | 40 | 10 | 15 | 100 | ||||||||||||||||
評価基準・方法 | 評価 割合 % |
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定期試験 | |||||||||||||||||||||||||
小テスト等 | |||||||||||||||||||||||||
宿題・授業外レポート | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | 50 | ||||||||||||||||
授業態度 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 10 | ||||||||||||||||||
受講者の発表 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 25 | ||||||||||||||||
授業の参加度 | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 15 | |||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||
合計 | 100 |
(表中の記号 ○評価する観点 ◎評価の際に重視する観点 %評価割合)
授業計画(学習内容・キーワードのスケジュール) | ||
第1週 | 事前学習(予習) | 心理的発達の理論を思い出す |
授業 | 心理的発達の全体性及び子供の生活環境と心の発達との関係性 | |
事後学習(復習) | 子どもの生活環境と心の発達との関係性について振り返る | |
第2週 | 事前学習(予習) | ユング,C.Gの基本的考え方に触れておく |
授業 | ユング,C.G. の影の概念 | |
事後学習(復習) | ユング,C.G. の影の概念について振り返る | |
第3週 | 事前学習(予習) | エリクソン,E.Hの基本的考え方に触れておく |
授業 | エリクソン,E.H.の心理社会的危機Ⅰ(心理社会的危機理論の全体) | |
事後学習(復習) | 心理社会的危機理論の全体について振り返る | |
第4週 | 事前学習(予習) | 乳幼児期から青年期にいたる発達の具体を思い浮かべる |
授業 | エリクソン,E.H.の心理社会的危機Ⅱ(乳児期から青年期までの危機の具体) | |
事後学習(復習) | 乳児期から青年期までの危機の具体について振り返る | |
第5週 | 事前学習(予習) | 臨床心理学的支援の具体について触れておく |
授業 | 発達の全体性と臨床心理学的関与 | |
事後学習(復習) | 発達の全体性と臨床心理学的関与について振り返る | |
第6週 | 事前学習(予習) | 児童虐待の実態に触れておく |
授業 | 児童虐待の概念と実態 | |
事後学習(復習) | 児童虐待の概念と実態について振り返る | |
第7週 | 事前学習(予習) | 虐待者の育ちについて想像しておく |
授業 | 児童虐待の臨床Ⅰ(虐待者を中心に) | |
事後学習(復習) | 虐待者の育ちについて振り返る | |
第8週 | 事前学習(予習) | 被虐待者の苦悩を想像しておく |
授業 | 児童虐待の臨床Ⅱ(被虐待者を中心に) | |
事後学習(復習) | 被虐待者の支援を振り返る | |
第9週 | 事前学習(予習) | 自己の体験を振り返り、いじめについて考える |
授業 | いじめの概念と実態 | |
事後学習(復習) | いじめの概念と実態について振り返る | |
第10週 | 事前学習(予習) | いじめ被害者の心の痛みを想像する |
授業 | いじめの臨床Ⅰ(いじめ被害者を中心に) | |
事後学習(復習) | いじめ被害者の支援について振り返る | |
第11週 | 事前学習(予習) | いじめ加害の実態に触れておく |
授業 | いじめの臨床Ⅱ(いじめ加害者を中心に) | |
事後学習(復習) | いじめ加害者の育ちを考える | |
第12週 | 事前学習(予習) | 不登校の歴史について触れておく |
授業 | 不登校の概念と実態 | |
事後学習(復習) | 不登校の概念と実態について振り返る | |
第13週 | 事前学習(予習) | 不登校児童の具体的現実に触れておく |
授業 | 不登校の臨床1(不登校児童を中心に) | |
事後学習(復習) | 不登校児童の心理的支援について振り返る | |
第14週 | 事前学習(予習) | カウンセリングマインドについて考える |
授業 | 不登校の臨床Ⅱ(教師、保護者を中心に) | |
事後学習(復習) | 不登校児童を支援する教師のあり方を振り返る | |
第15週 | 事前学習(予習) | これまでの学習をまとめる |
授業 | 子どもに対する臨床心理的支援と教育 | |
事後学習(復習) | 子どもに対する臨床心理的支援と教育について振り返る |
※事前・事後学習の時間は、講義科目は各90分、演習・実験・実習科目は各30分を原則とする。
※課題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行います。
備考 | 日頃より、子どもの影の部分に注目しておく。影の視点から子どもの現実について思いを巡らし、これに対して大人が社会がどう対応しているのかについて、考察しておくと本演習が受講ものにとってより実り豊かなものとなる。できれば河合隼雄「影の現象学」思索社を読んでおいていただきたい。 |