安田 みどり (Midori Yasuda) 女性
|
2024/09/17 更新
プロフィール
学歴
平成13年 3月 博士(理学)取得 |
職歴
専門分野
食品化学 食品機能学 |
研究テーマ
食品に含まれる機能性成分の分析と機能性の評価 天然色素の光に対する安定化に関する研究 |
共同研究
所属学会
日本分析化学会 日本家政学会 日本農芸化学会 日本栄養・食糧学会 日本食品科学工学会 日本食品保蔵科学会 佐賀・茶学会 |
学会・社会活動
平成18年11月 佐賀県公害審査会委員 (現在に至る) |
平成25年11月 佐賀県卸売市場審議会委員 (現在に至る) |
平成26年 7月 佐賀県農政審議会委員 (現在に至る) |
平成27年 5月 いいモノさがし認定委員会委員 (現在に至る) |
平成28年 2月 佐賀県環境保全型農業直接支払制度に関する検討会委員 (現在に至る) |
平成28年 5月 日本家政学会九州支部長 (平成30年 5月まで) |
学会賞等
平成 9年11月 九州分析化学会奨励賞受賞 |
平成16年10月 日本家政学会九州支部会賞受賞 |
平成28年 3月 神埼市合併十周年記念功労賞受賞 |
令和元年 6月 日本食品保蔵科学会論文賞受賞 |
令和元年 6月 日本食品保蔵科学会技術賞受賞 |
令和 4年 6月 日本食品保蔵科学会学会賞 |
令和 6年 8月 日本食品科学工学会論文賞受賞 |
研究者からの一言アピール
地域の農産物の機能性に関する研究や商品開発を行い、地域活性化に寄与したいと思っています。 また、食品のおいしさに関する科学的な研究も行っています。 |
オフィスアワー
教育・研究業績一覧
著書・論文等
【著書】
伝統食品のおいしさの科学
2024/07 著書 共著 株式会社エヌ・ティー・エス
【著書】
最新食品学-総論・各論-
2016/03 教科書 共著 講談社
【著書】
食べ物と健康 食品の科学
2015/03 教科書 共著 南江堂
【学術論文】
機械そうめんの食感のミクロ構造的解析
2023/04 雑誌 共著 日本食品科学工学会誌 vol.70 147-159
【概要】本研究では、機械そうめんの食味の特徴をミクロ構造から解明することを目的とした。食味検査により、そうめんのコシ(弾力)は、機械そうめん(神埼そうめん、MS1)<手延べそうめん(揖保乃糸、TS)<機械そうめん(ナンバーワン、MS2)の順となった。一方、破断強度の測定によって求めたコシは、MS1<MS2<TSの順に強くなった。放射光CTスキャン測定により、TS(乾麺)は中心部に帯状の大きな空隙が存在しており、茹でた後も一部帯状の空隙が残っていることがわかった。この外側と中心部の内部構造の違いが、破断強度のコシが強い要因であると考えられる。一方、機械そうめんは小さな空隙が均等に分散した内部構造であった。これが、破断強度のコシが低い値となった原因であることがわかった。しかし、食味検査でMS2がTSよりもコシが高いという結果であったことから、茹で操作における吸水速度も食感に影響したと考えられる。
【学術論文】
機能性成分の特性を活用した農産物の加工利用に関する研究
2023/01 雑誌 単著 日本食品保蔵科学会誌 vol.49 45-49
【概要】人々の健康の維持・増進に役立つため、機能性成分の特性を十分に理解し、利活用する必要がある。農産物に含まれる機能性成分については、効率的に抽出すること、長期間安定化させることが重要である。さらに、農産物の機能性を活かした高付加価値食品を開発することも望まれている。本稿では、農産物に含まれる機能性成分の抽出・貯蔵技術や機能性の評価、さらにその特性を利用した商品開発について紹介する。
【学術論文】
農産物の機能性研究と加工食品への応用
2022/11 雑誌 単著 食品と科学 vol.11 71-75
【概要】農産物には、それぞれに特徴的な成分が含まれ、3次機能を示すことが次々と報告されている。そして、それらの成分の機能性を利用した加工食品への開発が望まれている。私は、これまで種々の農産物について、機能性成分に関する研究とその機能性を活かした商品開発を行っている。そのいくつかについて紹介する。
【学術論文】
Effect of emulsifiers on the discoloration of chlorophyll and their potential for use in green beverages
2021/06 雑誌 共著 Journal of Food Science 86, 3033-3045
【概要】水溶液中のクロロフィルの退色を抑制するために、さまざまな乳化剤が紫外線照射下でのクロロフィルの退色に及ぼす影響を調べた。乳化剤としてショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、キラヤサポニンを用いた。ショ糖脂肪酸エステルとキラヤサポニンは、クロロフィルの自己凝集体の形成を促すことで光から身を守り、クロロフィルの退色を抑えることが明らかになった。
【学術論文】
Skin-related enzyme inhibitory activity by hydrolyzable polyphenols in water chestnut (Trapa natans)
2021/03 雑誌 共著 Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 85, 666-674
【概要】本研究では、ヒシ(Trapa natans)に含まれるポリフェノールのアンチエイジング効果について調べることを目的とした。 ヒシ外皮から6つの加水分解型ポリフェノールを単離し、同定を行った。これらのポリフェノールは、高い抗酸化作用と抗糖化作用を示した。さらに、皮膚のしわやたるみに関与するヒアルロニダーゼ、エラスターゼ、コラゲナーゼに対する阻害活性がみられた。したがって、ヒシのポリフェノールにはアンチエイジング効果が期待できる。
【学術論文】
未利用資源ヒシ外皮の機能性評価および利用技術の開発と実用化
2020/06 雑誌 単著 日本食品保蔵科学会誌 46, 123-127
【概要】 ヒシ(菱)は、池、沼、クリークに自生する一年生の浮葉植物で、その実に鋭い棘を持つユニークな植物である。西九州大学が位置する佐賀県神埼市は、ヒシの自生地として知られている。我々は、ヒシの外皮に注目し、ポリフェノールが豊富に含まれ、抗酸化性が高いことを明らかにした。さらに、ヒシ外皮に含まれるポリフェノールの構造を明らかにし、その機能性について調べた。また、機能性を利用した商品開発についても紹介する。
【学術論文】
キクイモに含まれるイヌリンの安定性に及ぼす加熱およびpHの影響
2019/11 紀要 共著 西九州大学健康栄養学部紀要 5, 1-7
【概要】キクイモに含まれる水溶性多糖類のイヌリンに及ぼす加熱やpHの影響について調べた。キクイモ乾燥粉末中のイヌリンは、160℃以上の焙煎によって減少することが分かった。これは、加熱によるイヌリンの分解とカラメル化反応によるものと考えられる。また、イヌリンは、強酸性では酸分解のために著しく減少することが明らかとなり、これは加熱温度が高く、加熱時間が長いほどより顕著であった。生キクイモからイヌリンの水への溶出は、40℃、1時間の抽出では約30%、95℃では10分でも約半分のイヌリンが水の方へ溶出することが分かった。以上のことから、キクイモ中のイヌリンは、高温での加熱、強酸性、長時間の水さらしにより減少することが分かった。
【学術論文】
熊本県南阿蘇産および海外産ハーブ熱水抽出物の抗酸化能評価
2019/04 雑誌 共著 日本食品保蔵科学会誌 vol.45, 63-71
【概要】ハーブ熱水抽出物の抗酸化能を4種の異なる方法(DPPH法,ABTS法,WST-1法,ロダン鉄法)を用いて評価した。南阿蘇産ハーブ抽出物では,DPPH法およびABTS法でレモンバーム,スペミント,ペパーミントが顕著に高い活性を示した。WST-1法では,これらに加えてラベンダーでも高い活性が確認された。ロダン鉄法では品目間での活性値の差が小さくなり,他法と異なる傾向が確認された。南阿蘇産ハーブ抽出物の抗酸化能を海外産と比較した結果,品目間での活性傾向は,南阿蘇産と海外産でほぼ類似したものであった。産地間比較の結果,スペアミントでは南阿蘇産がアメリカ産よりも顕著に高い抗酸化能を有することが確認された。ペパーミントでは,南阿蘇産はアメリカ産に次いで,レモンバームでは最も高活性なイタリア産とほぼ同等の活性が確認された。ラベンダーでは,南阿蘇産はフランス産よりも活性が低く,その他のハーブ抽出物では南阿蘇と海外産の差はほとんど認められなかった。高い抗酸化活性を示したスペアミント,ペパーミント,およびレモンバームの抽出物におけるロスマリン酸,カフェ酸,エリオシトリン,ルテオリン-7-O-グルコシドの含有量を確認した。カフェ酸はほとんど認められなかったものの,他の3化合物は品目や産地ごとに特徴的な組成が確認された。スペアミントでは,ロスマリン酸含量が南阿蘇産でアメリカ産の約3倍多い結果となり,ルテオリン-7-O-グルコシドはアメリカ産のみに認められた。ペパーミントでは,エリオシトリン含量が南阿蘇産とアメリカ産で顕著に高かった。レモンバームでは,いずれもロスマリン酸を主として含み,南阿蘇と海外産間の差は小さかった。
【学術論文】
ヒシ外皮熱水抽出液に含まれるポリフェノールの特性とヒト食後血糖値上昇抑制作用
2018/07 雑誌 共著 日本食品保蔵科学会誌 vol.44, 179-187
【概要】本研究では、水生植物であるヒシの外皮に含まれるポリフェノールの特性およびヒトの食後血糖にどのような影響を及ぼすのかを調べることを目的とした。ワビシ(Trapa japonica)の外皮を用いて熱水抽出液を作成し、その中に含まれるポリフェノールの含量や熱に対する安定性を調べた。その結果、ヒシ外皮熱水抽出液に含まれる総ポリフェノールは約200 mg/100 mlであり、ヒシポリフェノール(オイゲニイン、1,2,3,6-tetra-O-galloyl-β-D-glucopyranose (TGG)、トラパイン)は、約20 mg/100 ml含まれていることがわかった。また、ヒシポリフェノールのうち、オイゲニイン、TGGは熱に安定であったが、トラパインは熱(80℃以上)に弱いことが分かった。健常者21人に、水またはヒシ外皮熱水抽出液(200 ml)を摂取させ、ヒト米飯負荷試験を行ったところ、食後20および30分後にヒシ外皮熱水抽出液を摂取した群の方が有意に血糖値の上昇を抑制した。これは、ヒシポリフェノールによる糖質分解酵素やグルコースの小腸への取り込みの阻害によるものではないかと推察された。
【学術論文】
紫外線照射によるパプリカ中のカロテノイドの退色作用
2018/04 紀要 共著 西九州大学健康栄養学部紀要 vol.4, 1-10
【概要】佐賀県産のパプリカ(赤色および黄色)に含まれるカロテノイドを調べるため、HPLC分析を行った結果、カプサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン、?-クリプトキサンチン、?-カロテン、?-カロテンが含まれ、それらの合計は、赤色パプリカが黄色パプリカよりも6.4倍多く含まれていた。また、赤色パプリカにはゼアキサンチン、黄色パプリカにはルテインが多く含まれるなど、品種の違いによりカロテノイドの組成が異なることがわかった。また、パプリカ熱水抽出溶液の光安定性を調べるため、紫外線(UV)照射試験を行った結果、UV照射1~2日後に退色することがわかった。カロテノイド溶液について同様の実験を行った結果、炭化水素類である?-カロテンや?-カロテンがヒドロキシル基を持つキサントフィル類の色素より速く退色することがわかった。
【学術論文】
Physico-chemical chlorophyll-a species in aqueous alcohol solutions determine the rate of its discoloration under UV light
2018/03 雑誌 共著 Food Chemistry vol.277, 463-470
【概要】クロロフィル-a(Chl-a)は、光にさらされると退色し、食品の品質低下を招く。Chl-aは、アルコール濃度の異なる溶液中に、モノマー、J凝集体、およびランダム凝集体として存在していた。ランダムな凝集体はゆっくり変色するのに対して、単量体のChl-aおよびJ凝集体はすぐに退色した。ランダム凝集体のサイズは、メタノールとエタノールの濃度が低いほど小さく、退色を抑えることが分かった。得られた結果に基づいて、Chl-a変色のメカニズムを提案する。
【学術論文】
品種、収穫時期の違いがキクイモの成分および抗酸化活性に及ぼす影響
2017/04 紀要 共著 西九州大学健康栄養学部紀要 vol.3, 1-8
【概要】キクイモの成分や機能性に及ぼす品種、収穫時期の影響を調べるため、多糖類のイヌリン、総ポリフェノールの分析および抗酸化活性の測定を行った。その結果、白色種と紫色種では、紫色種の方がイヌリンや総ポリフェノール含量が多く、抗酸化活性が高いことが明らかになった。また、白色種キクイモ中のイヌリン含量は、10月、12月、翌年2月と収穫時期が遅くなるとともに減少した。また、収穫時期が遅いほど遊離糖が増え、イヌリンの重合度が減少したことから、低温下での長期保蔵中にイヌリンが分解していることが明らかとなった。一方、総ポリフェノール含量と抗酸化活性については、10月よりも12月や2月に収穫した白色種キクイモの方が高い値を示した。低温ストレスに対する防御機構によるものと考えられる。
【学術論文】
圧力差を利用した急速加減圧抽出法と緑茶への応用
2016/09 雑誌 単著 フードケミカル
【学術論文】
急速加減圧抽出法による緑茶有用性成分の抽出とその抗酸化活性・保存性評価
2015/09 雑誌 共著 日本食品保蔵科学会誌 vol.41, 191-198
【学術論文】
Multiple Biological Effects of Olive Oil By-products such as Leaves, Stems, Flowers, Olive Milled Waste, Fruit Pulp, and Seeds of the Olive Plant on Skin
2015/06 雑誌 共著 Phytotherapy Research vol.29, 877-866
【学術論文】
アスパラガスの規格外部分(切り下)の機能性成分含量および抗酸化活性
2015/04 紀要 共著 西九州大学健康栄養学部紀要 vol.1, 7-12
【学術論文】
嬉野産エキナセア茶のポリフェノール成分の分析と官能評価
2015/04 紀要 共著 西九州大学健康栄養学部紀要 vol.1, 29-35
【学術論文】
Inhibitory effects of polyphenols from water chestnut (Trapa japonica) husk on glycolytic enzymes and postprandial blood glucose elevation in mice
2014/05 雑誌 共著 Food Chemistry vol.165, 42-49
【学術論文】
規格外野菜を原材料として開発した新規機能性食品の官能評価および味認識装置による味評価
2014/03 紀要 共著 西九州大学健康福祉学部紀要 vol.44, 9-16
【学術論文】
高オレイン酸含有大豆から開発した新規豆腐の官能評価および味認識装置による味評価
2014/03 紀要 共著 西九州大学健康福祉学部紀要 vol.44, 1-7
【学術論文】
Effects of metal ions (Cu2+, Fe2+, Fe3+) on HPLC analysis of catechins
2012/03 雑誌 共著 Food Chemistry vol.133, 518-525
研究シーズ
【研究テーマ】 食品中の機能性成分の分析と機能性の評価
【研究分野】 生活科学
【研究キーワード】 調理と機能性成分、機能性食品、調理と機能性成分
【研究概要】
【共同研究可能なテーマ】
【研究テーマ】 クロロフィルの光退色抑制に関する研究
【研究分野】 生活科学
【研究キーワード】 食品と貯蔵、調理と加工
【研究概要】
【共同研究可能なテーマ】
特許・発明
酵素活性阻害剤
特許 第5831900号 2015/11/06
酵素活性阻害剤
特許 第6870812号 2021/04/19
教育活動・社会活動
平成28年 2月から
佐賀県環境保全型農業直接支払制度に関する検討会委員
平成27年 5月から
いいモノさがし認定委員会委員
平成26年 7月から
佐賀県農政審議会委員
平成18年11月から
佐賀県公害審査会委員
担当科目シラバス
問い合わせ先
西九州大学グループ
※ 健康栄養学部・健康福祉学部・リハビリテーション学部に関しては
Tel. 0952-52-4191
※ 子ども学部・短期大学部に関しては
Tel. 0952-31-3001
※ 看護学部に関しては
Tel. 0952-37-0249
Tel. 0952-52-4191
※ 子ども学部・短期大学部に関しては
Tel. 0952-31-3001
※ 看護学部に関しては
Tel. 0952-37-0249