黒田 研二 (KURODA KENJI) 男性 1950年生まれ
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2024/09/16 更新
プロフィール
学歴
昭和50年 3月 大阪大学医学部医学科卒業 |
昭和62年 5月 医学博士(大阪大学) |
職歴
昭和50年 5月 長浜赤十字病院医師(精神神経科) (昭和54年 3月まで) |
昭和54年 4月 尼崎厚生会立花病院医師(内科) (昭和55年 3月まで) |
昭和55年 4月 大阪大学医学部医員等(公衆衛生学講座にて研究に従事) (昭和56年 8月まで) |
昭和56年 8月 大阪大学医学部助手・講師・助教授(公衆衛生学講座) (平成 7年 3月まで) |
平成 7年 4月 大阪府立大学教授(社会福祉学部、その後大学法人化に伴う改組により人間社会学部) (平成23年 3月まで) |
平成15年 8月 大阪府立大学社会福祉学部長、その後人間社会学部長、および同研究科長を兼務 (平成21年 3月まで) |
平成22年 4月 大阪府立大学名誉教授 (現在に至る) |
平成23年 3月 関西大学教授(人間健康学部) (令和 2年 3月まで) |
平成30年 4月 関西大学名誉教授 (現在に至る) |
令和 2年 4月 西九州大学教授(看護学部) (令和 4年 3月まで) |
令和 3年 4月 西九州大学図書館長 (令和 4年 3月まで) |
令和 4年 3月 西九州大学教授(健康福祉学部社会福祉学科) (現在に至る) |
令和 4年 3月 西九州大学健康福祉学部長 (現在に至る) |
専門分野
公衆衛生学 社会福祉学 社会精神医学 |
研究テーマ
地域包括ケア・地域包括支援体制の構築方策 精神疾患のある人の支援の在り方と権利擁護 認知症の人の支援と地域ケア |
共同研究
【 実績 】 | 介護予防、フレイル予防の方策 |
所属学会
日本社会福祉学会 日本公衆衛生学会 日本社会精神医学会 日本社会医学会 日本認知症ケア学会 日本在宅ケア学会 日本老年社会科学会 日本地域福祉学会 日本疫学会 |
学会・社会活動
平成12年 4月 日本社会医学会評議員 (現在に至る) |
平成12年10月 大阪府茨木市総合保健福祉審議会会長 (令和 3年 3月まで) |
平成17年 4月 日本老年社会科学会評議員 (令和 3年 3月まで) |
平成19年 3月 大阪府精神科医療施設療養環境検討協議会会長 (令和 3年 3月まで) |
平成20年 4月 日本社会福祉学会評議員・査読委員 (現在に至る) |
平成22年 4月 公益財団法人日本生命済生会『地域福祉研究』編集委員 (令和 3年 3月まで) |
平成26年 4月 日本認知症ケア学会評議員・査読委員 (現在に至る) |
平成31年 4月 大阪府堺市地域包括ケアシステム推進審議会会長 (令和 3年 3月まで) |
令和 2年 4月 日本在宅ケア学会理事・査読委員 (現在に至る) |
令和 2年 4月 大阪府堺市社会福祉審議会会長 (現在に至る) |
学会賞等
平成 3年 3月 大阪神経筋難病研究会研究奨励賞:パーキンソン病患者の療養の態度がその死亡率に及ぼす影響に関する研究 |
平成 6年 6月 日本公衆衛生学会研究奨励賞:難治性疾患患者および高齢者のケアシステムに関する研究と地域保健対策の推進 |
平成 8年12月 大阪府立公衆衛生専門学校より表彰状(永年の保健師養成教育への貢献) |
平成16年11月 大阪府医師会 感謝状(府医師会における永年の委員会活動に対する貢献) |
平成20年11月 茨木市長より表彰状(永年にわたる高齢者保健福祉計画策定懇談会等の委員活動による貢献) |
平成26年11月 大阪府医師会 感謝状(府医師会における永年の委員会活動に対する貢献) |
平成28年12月 箕面市長より患者状(多年にわたり市勢の発展と地方自治の進展に尽力したことに対し) |
研究者からの一言アピール
保健・医療・福祉を地域で総合的に展開できる体制づくり、地域づくりが求められています。これまで、臨床医学・公衆衛生学・社会福祉学の領域での仕事をしてきた経験を活かして、そうした地域づくりに貢献できる教育・研究を志向したいと考えています。また精神障害者の保健・医療・福祉に関わってきた経験を活かし、その現状を改善していくための研究と実践を継続しています。 |
オフィスアワー
時間:火曜日 9:00 から 12:00 場所:神埼キャンパス3号館 5階 研究室 |
教育・研究業績一覧
著書・論文等
【著書】
医学概論
2021/04 編著書 共著 ミネルヴァ書房
【概要】社会福祉士養成の新カリキュラムにもとづき執筆、編集した教科書。
筆者は編著者として、「はじめに」「序章 ソーシャルワーカーになぜ医学が必要か(p1-7)」「第5章 障害の概要(p133-152)」「第7章 公衆衛生(p181-218)」を執筆して、本書の全体を編集した。
黒田研二・鶴岡浩樹編著。編著者を含めて執筆者は14名。
【著書】
ポスト・ソーシャル時代の福祉実践
2021/03 共編著 共著 関西大学出版会
【概要】関西大学人間健康学部の教員有志が、筆者の退職を記念して企画し出版した学術書。
黒田研二、狭間香代子、福田公教、西川知亨共著
【著書】
地域包括支援体制はいま:保健・医療・福祉が進める地域づくり
2020/12 学術書 共著 ミネルヴァ書房 新・MINERVA福祉ライブラリー40
【概要】黒田が編著者となり、公益財団法人日本生命済生会「地域福祉研究」誌編集委員会が監修して発刊。地域包括支援体制への理解を深めるよう、先駆的な地域の事例を紹介するとともに、その構築に向けて保健・医療・福祉が連携していくための理論や方法を論じている。
【1-163】黒田は、「はじめに」「序章 地域包括支援体制を推進する条件」「第6章 地域包括支援体制を理解するために留意すべき条件を知る」を執筆するとともに、第1部の地域の事例報告(「第1章 名張市:小学校区を基盤としたちいきづくり」「第2章 宝塚市:重層的エリア設定と協働のまちづくり」「第3章:茨木市:計画策定と実施における総合性」「第4章:明石市:分野を超えた総合相談体制と住民活動の結びつき」を総括した。
【黒田研二編著】公益財団法人日本生命済生会「地域福祉研究」誌編集委員会監修。他の執筆者は、太田貞司、二木立、藤井博之、永田祐、広井良典。
【著書】
学生のための医療概論 第4版
2020/02 共著 医学書院
【概要】医療職を目指す学生を主な読者層と考えて、医療者が備えるべき価値観や態度にも配慮して編集された教科書。「第1章 医療は誰のものか」「第2章 健康とは何だろうか」「第3章 医療がたどってきた道と未来への展望「医療システムを理解しよう」の大きな4つの章から構成されている。第1版は1999年に千代豪昭・黒田研二編集で刊行されたものを、この度、大幅に改訂して、新たな編者を加え改訂。
黒田は、この本の第4章を主に編集した。第2章のふたつのセクション「こころの病とwell-being」「保健医療が追求する価値と医療職の役割」、および第4章の3つのセクション「事例をもとに考えてみよう」「医療の機能分化と地域医療連携」「地域包括ケアシステムと多職種連携」を執筆した。
小橋元・近藤克則・黒田研二・千代豪昭を編者として刊行された。
【著書】
よくわかる地域包括ケア
2018/04 編著書 共著 ミネルヴァ書房
【概要】保健・医療・福祉の専門職およびその養成課程の学生を主な読者層ととらえて執筆されたテキスト。
【Ⅰ章とⅤ章の一部】「Ⅰ地域包括ケアとは何か」(p2-p19)、「Ⅴ地域包括ケアを支える専門職」の「保健・医療・福祉の各専門職の連携」(p70-71)を執筆すると共に、編著者として全体の編集を行った。
【黒田研二編著】隅田好美・藤井博志・黒田研二編著、執筆者計41名
【著書】
現代社会の福祉実践
2017/03 共著 関西大学出版部 105-124
【概要】本書は、関西大学人間健康学部の福祉と健康コースの教員を中心にした論文集。学部の学際的性格を反映して、「第Ⅰ部 子どもと家族」「第Ⅱ部 高齢者ケアと権利擁護」「第Ⅲ部 ソーシャルワークと福祉実践」という構成で編集を行った。
黒田はこの中で、第Ⅱ部の「高齢者の権利擁護と地域包括支援体制」という章を執筆。「高齢者虐待の現状とその防止の課題」「日常生活自立支援事業の現状と課権利擁護と地域包括支援体制題」「成年後見制度の現状と課題」「地域包括支援体制について」の4つの節に分けて、地域における権利擁護と地域包括支援体制のあり方を論じた。
黒田研二・狭間香代子・岡田忠克 編著
【著書】
成人・高齢者を支える在宅ケア
2015/07 共著 ワールドプランニング社
【概要】黒田研二編著。日本在宅ケア学会が刊行した専門職を対象とした全5巻の専門書の一巻。黒田は、本書の企画と編集を行い、在宅ケアの必要性、在宅ケア管理の3つの次元の説明、医療法医療計画における在宅医療、2014年法改正で導入された新たな施策などを論述した。
「はじめに」(ⅲ頁)序章「成人・高齢者を支える在宅ケア」(3-12頁)、第3章「Ⅰ医療計画と在宅ケア」(125‐131頁)を執筆。
黒田研二、内田恵美子、梶井文子ほか。
【著書】
『MINWRVA社会福祉士養成テキストブック 人体の構造と機能及び疾病
2009/06 共著 ミネルヴァ書房
【概要】社会福祉士養成のテキストブックの一冊。黒田が執筆した章は「序章 ソーシャルワーカーになぜ医学が必要か」「第4章 疾病と障害の概要」「第5章 保健医療対策の現状」「第8章 保健医療とソーシャルワーク」「終章 これからの医療とソーシャルワーク」。
「序章 ソーシャルワーカーになぜ医学が必要か」(1-5ページ)、「第4章 疾病と障害の概要」(89-137ページ)、「第5章 保健医療対策の現状」(139-169ページ)、「第8章 保健医療とソーシャルワーク」(223-240ページ)、「終章 これからの医療とソーシャルワーク」(241-249ページ)。
黒田研二・住居広士が編著者として執筆刊行
【著書】
こころとからだのしくみ
2009/03 共著
【概要】介護福祉士養成テキストブックの1つの巻として刊行された教科書。その中の第3章を執筆した。
筆者が執筆した第3章(60-79ページ)は「保健医療と介護福祉」というテーマで、「1 保健医療専門職」「2 医療施設および医療関連施設」「3 保健所と市町村保険センター」「4 保健医療福祉の連携と介護福祉士の役割」という4つの節に分けて介護福祉士が保健医療の領域・専門職と連携して業務を遂行していくために必要な知識を記述した
住居広士編
【学術論文】
精神科長期在院患者の発現と病院療養環境との関連ー630調査にもとづく分析ー
2024/03 原著 共著 西九州大学健康福祉学部紀要 53 25-31
大阪府内の30床以上の精神病床をもつ58病院を対象として,2021年630調査の調査個票をもとに長期在院患者の発現状況を個々の病院ごとに明らかにし,長期在院患者の発現に対して病院療養環境がどのように関与しているかを明らかにした。在院期間が3ヶ月以上,6ヶ月以上,1年以上,5年以上,20年以上の患者割合の58病院の平均は,それぞれ67.8%,59.7%,51.3%,23.1%,4.6%であった。最大で在院期間5年以上の患者割合が55.0%,20年以上患者割合が19.6%に達する病院が存在した。 重回帰分析において,長期在院患者発現の病院間の格差には,医療スタッフの配置状況,統合失調症患者割合,精神病床数といった要因が関連していた。医師,看護師の配置数が少ないことが長期在院患者割合の高いことに強く関連しており,精神保健福祉士の配置が少ないことも1年以上在院患者割合が高いことに有意に関連していた。精神病床における長期在院患者の発現を防ぐには,病院の医療スタッフの充実と,チーム医療に基づくきめ細やかな医療の提供が必要である。
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 豊田市 : 包括的支援体制づくりと地域共生社会
2024/03 調査報告 共著 地域福祉研究 52 143-156
豊田市の重層的支援体制推進事業の特徴は、多機関協働事業における多機関協働事業者は、福祉総合相談課と社会福祉協議会コミュニティソーシャルワーカーのほか、庁内の他の主たる支援機関8課にも拡大し、特定の課に複合課題の対応が集中しない体制を構築し、部局を超えて情報共有や支援分析などを実施する会議体を設置して、支援機関間の相互理解を図っていること、また、参加支援事業において、「とよた多世代参加支援プロジェクト」という高齢・障がい・子ども・若者・困窮分野などの民間事業者で構成される任意組織を立ち上げ、これまでサービスや地域資源がなく解決が困難だった事例について支援協力を要請し、個々のニーズに合うサービスや居場所を創出していることである。改正社会福祉法が2021年度に施行され、重層的支援体制整備事業が開始されて3年がたち、実施する自治体の数も次第に増えてきている。豊田市では、本調査の後、2023年10月に地域共生社会推進全国サミットを開催し、地域共生社会の実現に向けたさまざまな取り組みを全国へ発信した。
【学術論文】
フィットネスクラブ高齢会員のフレイルの現状 ―地域在住高齢者との比較―
2023/03 原著 共著 西九州大学健康福祉学部紀要 52 21-31
【概要】フィットネスクラブ高齢者会員と地域住民を比較することで,フィットネスクラブ利用者のフレイル予防の現状を明らかにすることを目的とした.65歳以上のFC会員(273名)と地域住民(224名)を対象とした.調査方法は,質問紙調査と身体機能評価,口腔機能評価である.分析は前期高齢者,後期高齢者ごとに性別を層別因子としてMantel-Haenszel検定を行った.また,全対象者,前期高齢者,後期高齢者ごとに,二項ロジスティック回帰分析を行った.Mantel-Haenszel検定では,後期高齢者で,FC会員のほうがフレイル傾向と開眼片足立ちの低下の比率が有意に低かった.二項ロジスティック回帰分析では,全対象者においてFC会員で開眼片足立ちの「低下」の比率が低く(オッズ比0.325),FC会員(後期)でフレイル傾向の比率が低かった(オッズ比0.325).フィットネスクラブにおける高齢者会員の利用が増加傾向にあることから,今後フィットネスクラブにおけるフレイル予防の役割が大きくなると考えられる.
【共著】黒田 研二, 隅田 好美, 頭山 高子, 田中 健一朗, 朝井 政治
【原著】黒田が分析方法を考案し論文全体の執筆を統括した
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねるー久留米市:重層的支援体制整備事業と地域包括ケアシステムー
2023/03 調査報告 共著 地域福祉研究 51,146-158
【概要】久留米市の健康福祉部地域福祉課、長寿支援課、久留米市保健所、久留米医師会、久留米市社会福祉協議会、社会福祉法人「拓く」を訪問して、聴き取り調査および資料収集を行い、久留米市で2021年度より取り組まれている重層的支援体制整備事業の実施体制、予算、事業の成果等を記述し分析した。また、医師会を中心に取り組まれている地域包括ケアシステムを推進するための「ルール運用」の状況を調査した。これらの調査結果をもとに久留米市の特徴として、制度福祉と地域福祉の協働の取り組みが先行していたこと、地域福祉計画の策定過程で、関係機関・関係者の合意形成が図られたこと、市の地域福祉課が中心となって2年をかけて庁内関係部署間の意見調整を図ったことを指摘した。
【調査報告】黒田は調査を企画し調査報告論文の「はじめに」「Ⅰ久留米市の重層的支援体制整備事業」の前半、「Ⅱ久留米市の地域包括ケアシステム」「Ⅲ久留米市における取り組みから学ぶもの」「終わりに」を執筆した。
【著作者氏名】黒田研二, 渡辺晴子, 南里真美
【学術論文】
フレイル傾向と口腔機能・食生活、心理的要因、および社会的要因との関連
2023/02 原著 共著 社会問題研究 72, 15-27
【概要】身体的フレイル傾向の有無と口腔機能・食生活、心理的要因、および社会的要因との関連を明らか
にし、フレイル予防について検討することを目的とした。対象者は65歳以上の地域住民とフィットネスクラブ高齢者会員の301名である。調査方法は質問紙調査および身体機能評価と口腔機能評価である。J-CHSによりフレイル傾向あり群となし群に区分し、各要因との関連を分析した。二項ロジスティック回帰分析では口腔機能・食生活では舌口唇運動機能低下、「誰かと食事をする機会(毎日はない)」がフレイル傾向と有意に関連していた。心理的要因では生活満足度Kの低値と健康関連QOL(SF-8)の身体的健康QOLサマリースコアが、社会的要因では「現在の経済状況(苦しい)」「社会参加(週1回未満)」「情緒的サポート提供(なし)」が有意に関連していた。フレイルの予防には口腔機能や心理的要因、社会的要因を考慮したアプローチが必要であり、QOLや生活満足度の向上につながる支援が重要である。
にし、フレイル予防について検討することを目的とした。対象者は65歳以上の地域住民とフィットネスクラブ高齢者会員の301名である。調査方法は質問紙調査および身体機能評価と口腔機能評価である。J-CHSによりフレイル傾向あり群となし群に区分し、各要因との関連を分析した。二項ロジスティック回帰分析では口腔機能・食生活では舌口唇運動機能低下、「誰かと食事をする機会(毎日はない)」がフレイル傾向と有意に関連していた。心理的要因では生活満足度Kの低値と健康関連QOL(SF-8)の身体的健康QOLサマリースコアが、社会的要因では「現在の経済状況(苦しい)」「社会参加(週1回未満)」「情緒的サポート提供(なし)」が有意に関連していた。フレイルの予防には口腔機能や心理的要因、社会的要因を考慮したアプローチが必要であり、QOLや生活満足度の向上につながる支援が重要である。
【原著】黒田は研究計画策定、分析と結果の考察を指導した
【共著】隅田好美,頭山高子,朝井政治,田中健一朗,大西愛,黒田研二
【学術論文】
社会医学の実践の歴史と未来デザイン
2022/10 論説 単著 社会医学研究 39 (2), 104-112
【概要】社会医学研究会 創立当初の社会医学の位置づけをめぐる議論を紹介し、次に社会医学研究会・日本社会医学会のあゆみを振り返り、社会医学の実践的研究として、丸山博氏らによる『14年目の訪問』:森永ヒ素ミルク中毒被害の解明と、原田正純氏らの水俣病への取り組みを紹介した。この2つの研究は、公害被害者の立場から事実を解明し、その解決のため、裁判を通じた社会正義と人権の追求を専門家の立場から支援した点が共通している。最後に社会医学の展望と未来デザインを論じ、次の3点を柱としてあげた。第1に、社会医学は健康や疾病に影響を及ぼす社会的要因、および疾病の帰結としての社会や生活への影響について、様々な人間集団、社会階層、地域格差、社会的経済的諸条件など広い視点をもって究明を図る。第2に、健康や疾病に悪影響を及ぼす社会的原因の除去、防止をめざす社会的活動や制度について研究する。公衆衛生や医療や社会福祉等もそうした制度の一部であり、それらを対象とした研究も含まれる。第3に社会的原因のもとで健康に被害を受けている人々がいる場合に、被害を受けた人々の立場を尊重して、被害の事実、被害を生み出す社会的原因やその構造を究明する。
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 佐賀市 : 地域共生社会の実現に向けた取り組み
2021/03 調査報告 共著 地域福祉研究 49、160-174
【概要】佐賀市の保健・医療・福祉の行政担当者および専門職を訪問し、重層的支援体制整備事業の実施と地域包括ケアシステム構築にむけた取り組みの現状に関する聴き取り調査、資料収集を行い、分析を加えて報告した。
筆者は、本調査の企画と訪問先との調整を行い、他の共著者とともに訪問調査を実施し、論文の多くの部分を執筆。
黒田 研二, 渡辺 晴子, 佐瀨 惠美子, 南里 真美の共著。
【学術論文】
フィットネスクラブ高齢者会員の身体機能評価と口腔機能評価
2021/02 原著 共著 社会問題研究 70, 13-23
【概要】フィットネスクラブ(FC)会員の身体機能と口腔機能の評価を行い、フレイル予防の現状を明らかにすることを目的とした。2019年度に2つの市の65歳以上のFC会員に、郵送による質問紙調査(278名)と、身体機能評価と口腔機能評価(89名)を行った。質問票によるフレイルとプレフレイルの割合は、地域高齢者とほぼ同じであった。FCに通い始めた動機は「健康維持」が75.9%であったことから、体力低下を感じたことで、FCに通い始めたということが推察できる。身体機能評価では歩行速度、CS5、TUGでは基準値以下はなかったが、指輪っかテストでは23.9%に筋肉量の低下が疑われた。口腔機能評価では、約1割に嚥下機能低下と咀嚼機能に低下があった。舌口唇運動機能は伊興田らの調査の3.8倍の低下があった。オーラルフレイルの高齢者が身体的フレイルや要介護状態になる可能性が高いため、FC会員は運動に加え口腔機能向上の取り組みが必要だと考える
黒田は、研究計画に対する助言と分析方法、分析結果の解釈について指導を行うと共に、論文執筆を共同で行った。
隅田 好美, 頭山 高子, 朝井 政治, 田中 健一朗, 森岡 朋子, 大西 愛, 黒田 研二の共著。
【学術論文】
施設コンフリクトはなぜ生じるのか
2020/05 単著 ヒューマンライツ( Human rights) 386, 2-10
【概要】福祉施設や事業所を建設する際、周辺の住民がそれに反対する「施設コンフリクト」と呼ばれる事態に関し、とくに精神障害者のための施設やグループホームに対する反対運動を中心に、その事例、そうした事態が生じる原因、施設コンフリクトに対する行政の役割などを論じた。
【学術論文】
生活保護ケースワーカーによる受給者の健康支援に関する研究 : 都市部福祉事務所における質問紙調査の分析
2020/03 共著 人間健康学研究 13, 43-54
【概要】3都市、10福祉事務所のケースワーカーに対する質問紙調査をもとに、健康支援の取り組みの現状とその促進要因を量的に分析した。健康課題は、精神保健や母子保健の領域に多く認められた。ケースワーカーが受給者の健康状態のアセスメント力を高め、医療職との協働・連携につなげていける職場環境や体制づくりが重要であることを考察した。
原 政代 , 黒田 研二
【学術論文】
鍼灸師による介護予防活動 : 運動支援実践者へのインタビューの質的分析
2020/03 共著 日本保健医療行動科学会雑誌 34(2), 109-117
【概要】鍼灸師が介護保険制度の機能訓練指導員になることができるようになったことに関連し、介護予防の取り組みに意識的な鍼灸師にインタビュー調査を行い、質的データの分析を通じ、鍼灸師による介護予防活動の可能性を探った。痛みの緩和や自律神経機能の調整など鍼灸施術による効果と相まって運動指導を行うことが、介護予防に効果がある可能性を考察した。
吉野 亮子 , 黒田 研二
【学術論文】
市民後見人の概念を構成する要素と要件 : 先行研究のレビューから
2020/03 共著 人間健康学研究 13, 55-68
【概要】市民後見人に関して日本のこれまでの論文をシステマティックにレビューし、その構成概念を整理し、新たな定義づけを行うことを研究目的とした。市民後見人の概念を構成する6つの要素を抽出し、さらにそれを3つの要件(個人の要件、支援体制の要件、活動の要件)に整理した。これらの分析をもとに、新たな市民後見人の定義づけを行った。
松下 啓子 , 黒田 研二
【学術論文】
高齢の女性を介護する介護者の心理状態とその経時的変化 : 息子・娘・夫の比較
2020/03 共著 人間健康学研究 13, 69-81
【概要】高齢の女性の要介護者の家族介護者に質問紙調査を行い、続柄(夫、娘、息子)別に、とくに介護開始時と現在の介護に関する認知的評価(肯定的・否定的)およびその変化について分析し、比較を行った。夫介護者は介護継続不安感が上昇、娘介護者は介護役割充足感、高齢者への親近感が上昇、息子介護者は他の被介護者をも過去または現在介護している割合が高い、認知的評価には被介護者への尊敬の程度、近隣友人からの支援の満足度が関連している、などの知見が得られた。
北本さゆり・ 黒田 研二
【学術論文】
地域共生社会とSDGs : 推進のための共通の条件
2020/03 論説 単著 人間健康学研究 13, 31-39
【概要】国連が推進するSDGsと日本の政府や自治体が推進する地域共生社会づくりの二つの政策を結び付けて、理念において共通するもの、推進の条件として共通するものを論じた。共通する条件として、プラットフォームづくり、パートナーシップ形成、PDCAサイクルの遂行を含むガバナンスの確立を論じた。
【学術論文】
地域で生活する認知症の人のソーシャルサポートの検証 : 当事者の語りの分析から
2020/03 共著 人間健康学研究 13, 83-96
【概要】認知症の人とその家族等身近な支援者へのインタビュー調査を行い、認知症の人がどのようなソーシャルサポートを受けてきて、それがどのように認知症の人に受け止められているか、生活にどのような影響を及ぼしているかを分析した。介護職によるフォーマルなサポートと家族や友人等によるインフォーマルなサポートそれぞれの役割と重要性を考察した。
室谷牧子・ 黒田研二
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 熊本市
2020/03 調査報告 共著 地域福祉研究 48, 120-135
【概要】地域福祉研究誌が毎年掲載している「現場を訪ねる」シリーズの調査報告。熊本市をフィールドとして、市の行政、社会福祉協議会、地域包括支援センター(ささえりあ)および保健福祉複合施設の事例、医師会立病院と医師会活動を取材し、その取り組み内容を報告するとともに、地域包括ケアシステムの成立のための条件を考察した。
小野 達也 , 渡辺 晴子 , 黒田 研二 , 木下 幹朗
【学術論文】
乳児院・児童養護施設における食物アレルギーの給食対応に関する課題 : ガイドラインの有無別にみた栄養士・管理栄養士の意見から
2020/03 共著 人間健康研究科論集 3, 23-40
【概要】乳児院・児童養護施設を対象におこなった食物アレルギーの給食対応に関する調査の自由記述欄の内容を分析し、食物アレルギーの給食対応に関して両施設にみられる課題およびガイドラインの有無別にみられる特徴を検討した。ガイドラインがない施設の栄養士は、献立や食事指導の仕方などの児童に対しての直接的な支援が課題であると認識していたが、ガイドラインがある場合は、施設内連携・施設外連携などの児童を取り巻く職員間・部署間の情報共有や、他施設との関係を課題ととらえる傾向があることが推察された。
森 久栄 , 黒田 研二
【学術論文】
社会的養護施設と一般保育所・小学校における 食物アレルギーの給食対応についての比較検討
2019/10 共著 大阪夕陽丘学園短期大学 62,33-44
【概要】全国の乳児院・児童養護施設、保育所・小学校に対して行った食物アレルギーをもつ子どもへの給食対応に関するアンケート調査の結果を分析し、報告した。社会的養護施設では保育所・小学校と比べると、施設の児童数の規模が小さいため、食物アレルギー児が在籍しない施設も多い。重症児の食物アレルギーの給食対応はなおさらあまりないことから、経験不足により不安を感じ、食物アレルギーの知識を必要としていることが推察された。
筆者は、大学院指導教員として、共著者とともに調査方法を企画、実施し、分析結果を論文化する指導を行った。
森 久栄, 黒田 研二
【学術論文】
息子が母親を介護する際の心理的プロセス
2019/09 共著 社会福祉学 60(2), 91-109
【概要】母を在宅で介護する息子介護者の心理状態について、インタビューに基づく質的データを、介護の過程に沿って分析し、心理状態に関連する事柄を明らかにした。在宅で母を介護したことのある息子10人に半構造化面接を実施し、M-GTAを用いて分析した。
北本 さゆり , 黒田 研二
【学術論文】
乳児院,児童養護施設における食物アレルギー児の在籍状況および給食対応の実態:ガイドライン・マニュアルの有無別の比較
2019/03 共著 日本公衆衛生雑誌 66(3), 138-150
【概要】全国の2種類の社会的養護施設を対象に質問紙調査を行い、これまで報告されていない乳児院・児童養護施設での食物アレルギー児の在籍状況、および食物アレルギーの給食対応の実態を明らかにした。その実態を、ガイドライン・マニュアル等の有無別に比較し、ガイドライン・マニュアルの必要性について考察した。
森 久栄 , 黒田 研二
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 明石市
2019/03 共著 地域福祉研究 47, 123-136
【概要】明石市の市役所、社会福祉協議会、花園小学校地区社会福祉協議会(まちづくり協議会)保健所、医師会、明石医療センターを訪問して、保健・医療・福祉の現状を総合的に分析した。協議と研修の場の発達、宣言・条例・計画にもとづく施策の推進、保健・医療・福祉ネットワークと住民組織活動のむすびつき、市長のリーダーシップといった観点からその特徴を論じた。
黒田 研二 , 渡辺 晴子 , 木下 幹朗 , 上野谷 加代子
【学術論文】
データから見た息子介護者の社会的背景
2019/03 共著 人間健康研究科論集 2, 1-22
【概要】主に公的機関が公表している統計データを使用し、高齢の母親を介護する息子がどのような社会的環境に置かれているのか、それが時代とともにどのように変遷しているのかを明らかにした。息子介護の社会的背景とその経年的変化をもとに、それが息子介護者の介護を行う上での心理状態にどのような影響を与えているのかを考察し、さらに息子介護者への支援のあり方を論じた。
北本 さゆり , 黒田 研二
【学術論文】
子育て負担感とソーシャルサポートとの関連 : 堺市における実態調査より
2019/03 共著 人間健康学研究 12, 1-13
【概要】堺市で行われた子育て負担に関する質問紙調査をもとに、子育てに対する不安も含めた負担感の内容およびソーシャルサポートとの関係を明らかにすることを目的とした。分析結果をもとに、自治体や地域社会にどのようなソーシャルサポートが求められるかを論じた。
高木 さひろ , 黒田 研二 , 今津 弘子 , 花家 薫 , 安斉 智子 , 増田 麻砂予
【学術論文】
生活保護受給者の健康支援 : ニーズに関するレビューと支援体制の検討
2019/03 共著 人間健康学研究 12, 15-28
【概要】健康格差の縮小に向けて生活保護受給者の健康支援ニーズを明らかにし、その支援体制を検討することを目的とした。健康政策並びに学術論文、行政統計資料から健康支援ニーズを整理し、今後の支援体制について検討した。
原 政代 , 黒田 研二
【学術論文】
自治体による市民後見人養成の現状と問題点 : 市民後見推進事業を実施した自治体に対する質問紙調査の結果から
2018/10 共著 厚生の指標 65(12), 36-43
【概要】モデル事業として市民後見人養成の事業を行っている全国の自治体に質問紙調査を行い、その実績と成果を明らかにした。養成事業を受講し、市民後見人として登録されている人数に比して、実際に市民後見人を受任している人数は圧倒的に少ないことを明らかにし、その理由を回答の自習記載の分析をもとに考察した。
松下 啓子 , 黒田 研二
【学術論文】
認知症地域支援業務を推進する要因 : レジリエンス・燃え尽き・ネットワークに注目して
2018/03 共著 人間健康研究科論集 1, 65-82
【概要】認知症地域支援業務を推進する要因として、レジリエンス、燃え尽き(バーンアウト)の防止、サポート・ネットワークの存在を想定し、その仮説を検証することを目的に、市町村の現場の職員を対象として質問紙調査を行った。新しい業務を開拓していくには、職員のレジリエンスが関係し、逆に燃え尽きは抑制的に作用すること、また、特に市町村を超えた現場職員同士のネットワークは、認知症への取組みに関する情報交換の場となり、業務上の困難感を軽減すことを示した。
森岡 朋子 , 黒田 研二
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 茨木市
2018/03 共著 地域福祉研究 46, 132-146
【概要】大阪府茨木市をフィールドに、保健・医療・福祉の現場を訪ね、地域包括ケアシステムの形成の状況を総合的に調査分析した。市役所、社会福祉協議会、保健センター、医師会、済生会茨木病院、コミュニティデイハウスやシニアプラザいばらきなどの住民主体の活動等を訪問して調査するとともに、計画策定と実施における総合性、行政・専門職・住民の三位一体、多様な住民活動とそれを支える施策という3つの視点から、地域包括ケアシステムの構築要件を考察した。
渡辺 晴子 , 黒田 研二 , 牧里 毎治 , 木下 幹朗
【学術論文】
息子介護者にとって子どもの頃からの母子関係が母の介護に与える影響
2018/03 - 藍野大学紀要 31 25-37
【概要】息子介護者にインタビューと聴き取りを行って、子どもの頃からの母子関係が介護に関する意識にどのような影響をもたらしているかを質的方法(M-GTA)で分析した研究。
筆者は、大学院指導教員の立場から共同研究として質的分析に関与した。
【学術論文】
介護予防と生活支援の観点からみた自治会互助活動の現状
2018/03 共著 総合リハビリテーション 46 (3), 275-279
【概要】大阪府堺市南区で実施した地域住民組織を対象とした調査を基に、地域福祉の観点から介護予防、リハビリテーションのあり方を考察した。
筆者は、調査研究の企画を指導し、質問紙調査・インタビュー調査を実施、論文執筆に助言した。
高井 逸史, 高木 さひろ, 黒田 研二
【学術論文】
在宅医療・介護連携の現状と展望 : 堺市における関係機関9領域に対する質問紙調査
2018/03 共著 人間健康学研究 11, 1-13
【概要】医療と介護が連携して地域包括ケアシステムを構築していくうえで、関係機関相互の連携の現状や連携の方法、課題を探るために、堺市の関係機関9領域(診療所、病院地域医療連携室管理者、病院医師、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、介護施設等、地域包括支援センター)を対象に質問紙調査を行い、実態を明らかにするとともにそれぞれの特徴を比較した。
高木 さひろ , 黒田 研二 , 今津 弘子 , 花家 薫 , 安斉 智子 , 増田 麻砂予 , 岡原 和弘 , 小田 真
【学術論文】
多職種事例検討会における支援困難事例の分析 : 学際的アセスメントとストレングスに配慮した課題解決策
2018/03 共著 人間健康研究科論集 1, 3-28
【概要】地域包括ケアに関わる専門職の参加のもと、インシデント・プロセス法を用いた多職種による事例検討会を開催し、その記録をもとに、介護支援専門員が支援上困難を感じる事例の特徴、当日の参加者のアセスメント及びグループワークで抽出された課題と課題解決法の提案について、内容分析を行った。今後の各事例への支援において、そのストレングスに注目した支援、インフォーマルなサポートネットワークにも配慮した支援が重要であることを考察した。
室谷 牧子 , 佐瀬 美恵子 , 外堀 佳代 , 黒田 研二
【学術論文】
生活保護現業員の仕事のやりがい感に関連する要因
2018/03 共著 人間健康学研究 11, 15-23
【概要】生活保護現業員の仕事のやりがい感に関連する要因を明らかにし、やりがい感を支援する方策を検討することを目的とした。方法:政令指定都市、中核市、特例市である3つの市の10か所の福祉事務所の生活保護現業員全数212人を対象に自記式質問紙調査を行った。
原 政代 , 黒田 研二
【学術論文】
認知症ライフサポート研修受講による「認知症支援意識」の変化について : 事前・事後の質問紙調査から
2018/03 共著 日本認知症ケア学会誌 16(4), 791-801
【概要】保健医療福祉の専門職が認知症を理解し支援していく際の意識を測定する認知症支援意識尺度を独自に開発し、認知症ライフサポート研修の受講者を対象に、研修受講前と受講後に質問紙調査を行い、研究の効果を明らかにした。また、認知症支援意識得点に関連する要因を分析し、事例検討会を仕事に組み込んでいる場合に認知症支援意識得点が高いことを示した。
森岡 朋子 , 黒田 研二 , 橋田 弓子 , 大平 夕子
【学術論文】
鍼灸師による介護予防運動支援の取り組み:介護予防運動指導員養成講座受講者への調査より
2017/04 共著 全日本鍼灸学会雑誌 67(4), 340-348
【概要】鍼灸職能団体が取り組んでいる介護予防運動指導員養成の講座をこれまで受講した人を対象に、全国規模の質問紙調査を行い、鍼灸師が業務の中に介護予防運動支援をどのような方法でどの程度組み込んでいるかを調査した。施術所内での取り組み、施術所外での取り組みに共通して、介護予防に関連する知識、医療や介護保険関係者等との連携、介護予防支援の必要性の高い患者との接触が、取り組みの促進要因となることを考察した。
吉野 亮子 , 黒田 研二
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 宝塚市
2017/03 共著 地域福祉研究 45, 105-120
【概要】宝塚市を訪問し、市役所、社会福祉協議会、医師会、市民病院、障害者施設、各種の住民活動などの現場を訪れて調査を行い、保健・医療・福祉の現状を総合的に分析し報告した。<重層的エリア設定と協働のまちづくり><市民・住民の参加と住民自治><医療からのアプローチ><行政、社協・福祉関係者、医療関係者および 市民のそれぞれの主体間の協働>といった観点から、宝塚市の取り組みの特徴を論じた。
黒田 研二 , 佐瀨 美惠子 , 渡辺 晴子 , 木下 幹朗
【学術論文】
在宅ケア実践と在宅ケア研究の今後
2016/09 単著 日本在宅ケア学会誌 20(1), 21-26
【概要】第20回日本在宅ケア学会学術集会におけるシンポジウム「学会設立20周年記念リレーシンポジウム 在宅ケア学の現在・過去・未来」において行った講演を論文として公表したもの。在宅ケアと地域包括ケアシステムの関係を論じるとともに、在宅ケアでは、ソーシャルワークでいうミクロ、メゾ、マクロの領域全体に目を向けた実践が必要であり、研究としても、ミクロ・メゾ・マクロ実践を架橋する視点が重要であることを述べた。
【学術論文】
都道府県による精神疾患の医療計画に関する分析と提言
2016/04 共著 精神神経学雑誌 57(1),125-137
【概要】精神神経学会の委員会で行った調査とそれに基づく提言。医療法の医療計画の内容を分析した。黒田が中心にまとめたもの。
199頁-211頁
黒田研二、岩成秀夫、太田順一郎ほか
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 名張市
2016/03 共著 地域福祉研究 44, 147-160
【概要】三重県名張市を訪問し、市役所、市長、社会福祉協議会、まちの保健室、住民活動(すずらん台町づくり協議会とライフサポートクラブ)、医師会が運営する名張市在宅医療支援センターを訪れて、聴き取り調査を行い、保健・医療・福祉の取り組みを総合的に分析した。地域包括ケアを構想する際の圏域、住民主体の地域づくり組織、地域医療体制構築への取り組み、市長のリーダーシップと行政の役割という4つの視点から名張市の特徴を論じた。
永田 祐 , 渡辺 晴子 , 黒田 研二 , 木下 幹朗 , 山本 香織
【学術論文】
介護予防のための住民互助活動の類型化と展開方法に関する研究
2016/03 共著 大阪ガスグループ福祉財団調査・研究報告集 29, 11-17
【概要】介護予防を推進していくために、住民自ら参加し展開する地域活動が重要である。大阪府堺市南区をフィールドとして、各校区福祉委員会で取り組んでいる、地域の見守り支え合い活動の現状を、質問紙調査により明らかにするとともに、活発に取り組んでいる校区福祉委員会の役員にインタビューを行い、推進方策を検討した。
髙井 逸史 , 黒田 研二 , 高木 さひろ
【学術論文】
保健・医療・福祉が進める地域づくり
2016/03 単著 地域福祉研究 44, 2-12
【概要】地域包括ケアシステムは、保健・医療・福祉が連携し、高齢になっても安心して生活を継続できる進める地域づくりを目指している。本論文で、保健・医療・福祉が追求する価値、保健・医療・福祉が進める地域づくりとソーシャル・キャピタル、地域包括ケアシステムに関する議論と関連する施策の展開について論じ、4つの地域事例を検討して、保健・医療・福祉を通じて地域づくりを追求するには、行政、医療関係者、社会福祉関係者、市民の4つの主体間の協力関係が重要であること、そうした協力関係を構築するには地域特性に応じてそれぞれの地域で方法を開発する必要があることを示した。
【学術論文】
介護予防のための住民互助活動の類型化と展開方法に関する研究
2016/03 研究費助成報告 共著 大阪ガスグループ福祉財団調査・研究報告集 29 11-17
【概要】福祉財団の研究助成金をもとに、大阪府堺市南区で実施した調査研究の報告。
筆者は、研究計画立案を指導し、調査設計に携わり、研究論文執筆に参加した。
髙井 逸史, 黒田 研二, 高木 さひろ
【学術論文】
地域包括支援センターにおける認知症の人と家族の支援およびその関連要因
2016/03 共著 社会福祉学 57(1), 125-137
【概要】地域包括支援センターにおける認知症支援の現状と支援に関連する要因を明らかにするため、管理者用と職員用の調査票をX県内55センターに配布し、49センター、三職種142名から回収し分析した。職員の属性による認知症関連業務は年齢が高いほど、現職場の勤務年数高齢者支援経験年数が長いほど、「認知症支援業務」と「医療機関との連携」の得点が高く、年齢が高いほど認知症医療の現状に否定的認識を持つ傾向にあることが明らかになった。
隅田 好美 , 黒田 研二 , 水上 然
【学術論文】
認知症の人の支援の実態と支援困難感 : 大分県内の地域包括支援センターへの調査より
2015/12 共著 福祉社会科学 5、95-110
【概要】大分県内の地域包括支援センターを対象に、認知症患者と家族の支援、医療機関との連携の状況について調査を行い、結果を分析し報告した。
筆者は、共同研究者とともに調査を企画し、実施。結果の分析について指導を行った。
【学術論文】
地域包括支援センター職員の認知症支援業務の実施状況と認知症に関連する知識との関係
2015/12 共著 日本認知症ケア学会誌 14(3), 667-678
【概要】大阪府内の地域包括支援センター(237施設)を対象とする郵送質問紙調査を行い、173施設の専門職499人から回答を得て、地域包括支援センターに勤務する専門職(主任介護支援専門員,保健師・看護師,社会福祉士)の認知症に対する理解や業務遂行状況の比較を行い、認知症支援におけるそれぞれの職種の特徴と連携の重要性を考察した。
水上 然 , 黒田 研二 , 佐瀬 美惠子 [他]
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 尾道市
2015/03 共著 地域福祉研究 43, 110-122
【概要】尾道市をフィールドに、尾道市医師会、小規模多機能ホーム「びんご倶楽部高須」、因島医師会と因島医師会病院、高齢者総合ケアセンター「星の里」、尾道市社会福祉協議会を訪問して、聞き取り調査を行い、保健・医療・福祉の取り組みを総合的に分析した。医療がリードする地域包括ケアシステムの構築、本人と家族を支える包括的・継続的なケアの提供、現場レベルにおける多職種間の「顔の見えるネットワーク」の形成、住民参加と小地域ネットワークの形成、という観点から考察を加えた。
渡辺 晴子 , 黒田 研二 , 木下 幹朗
【学術論文】
大都市における高齢者の在宅ケア
2014/09 単著 公衆衛生 78(9), 612-616
【概要】大都市における高齢者の在宅ケアについて、大阪府医師会での委員会活動を基盤に取り組んだ推進活動をもとに、在宅ケアの構成要素、在宅医療をめぐる政策動向、在宅ケア推進のためのPDCAサイクルという観点から論じた。医療と介護の施策を推進するとともに、新たな社会規範やケアの文化、看取りの文化を創り出していく営みも在宅ケアに課された課題であり、公衆衛生関係者の関与への期待を述べた。
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 東近江市
2014/03 共著 地域福祉研究 42, 170-182
【概要】滋賀県東近江市を訪問し、市役所、社会福祉協議会、滋賀県東近江保健所、東近江氏あいとう診療所、永源寺診療所、小串医院、生活支援サポーター「絆」、NPO法人「加楽」を訪れて聴き取り調査を行い、保健・医療・福祉の現状と連携のあり方を調査した。医師会と保健所が協働して作りあげてきた三方よし研究会が、保健・医療・福祉を結ぶ連携と協議の場となっていることを報告した。
渡辺 晴子 , 黒田 研二 , 上野谷 加代子
【学術論文】
地域包括支援センターと諸機関の連携による認知症支援に関する研究
2013/03 共著 大阪ガスグループ福祉財団調査・研究報告集 26, 123-129
【概要】大阪ガスグループ福祉財団の助成を受けて行った研究報告。大阪府内の地域包括支援センターの職員とともに1年間、毎月行った認知症の人と家族の支援事例の研究会の成果を分析した。また、地域包括支援センターの3職員を対象に行った質問紙調査の結果を分析し、支援困難事例への対応について論じた。
黒田 研二 , 水上 然 , 森岡 朋子 , 室谷 牧子 , 田中 園代 , 佐瀬 美恵子
【学術論文】
高齢者の人権について : 権利を守るための仕組みと地域包括ケアを中心に
2013/01 単著 ヒューマンライツ 308, 2-10
【概要】高齢者の人権について、高齢者虐待防止、日常生活自立支援事業、成年後見制度の3つの施策の実績の分析から論じるとともに、人権保障を市町村行政の一環として地域包括ケアシステムの中で推進する必要があることを述べた。
【学術論文】
医療法に基づく医療計画策定と地域精神科医療改革
2012/12 単著 精神医学 54(10), 977-982
【概要】「医療法に基づく精神疾患の地域医療計画策定」という特集号に寄稿した論文。医療法に基づき都道府県が策定する医療計画の中に、それまでの4疾病・5事業に加えて、精神疾患の医療計画を記載することが義務づけられたことを受けて、どのような理念・考え方で計画策定をするべきかを論じ、大阪府での取り組みについて言及した。
【学術論文】
保健・医療・福祉の現場を訪ねる : 出雲市
2012/03 共著 地域福祉研究 41, 149-164
【概要】島根県出雲市を訪問し、市役所、社会福祉協議会、社会福祉法人( ぽてとはうす、ふあっと、JAいずも福祉会、やすらぎ福祉会)、医療法人「エスポワール 出雲クリニック」、失語症友の会「あしたの会」を訪れ聞き取り調査を実施し、保健・医療・福祉の展開状況を総合的に報告し考察した。行政、社会福祉協議会、その他の社会福祉法人や民間団体が役割を分担しながら、緊密なネットワークを形成している背景に、関係者が自発的に集まり意見交換や学習ができる研究会やフォーラムが組織されていることと、リーダーシップのとることのできる人の存在があることを分析した。
渡辺 晴子 , 佐瀬 美恵子 , 黒田 研二
【学術論文】
認知症の人に対する介護職員の態度とその関連要因
2012/01 共著 社会問題研究 61(140), 101-112
【概要】筆者らが開発した、認知症に対する態度尺度、および認知症に関する知識尺度を用いて、特別養護老人ホームの介護職員を対象に行った質問紙調査の分析結果を報告した。認知症の人に対する肯定的態度は、知識に裏打ちされるとともに、ユニットケアの実施、職員が仕事の業務以外の場でに認知症の人と触れ合っているかどうかといった環境要因の影響を受けることを分析した。
金 高誾 , 黒田 研二
【学術論文】
Attutudes to dementia: Comparison between local community members and care staff.
2012/01 共著 Proceeding of 9th World Conference of Long Term Care in Chinese Communities, Proceeding,246-257
【概要】中国杭州市で開催された国際学会での報告を論文として公表したもの.筆者らが開発した認知症に対する態度尺度を用いて行った質問紙調査をもとに、地域住民と特別養護老人ホームの介護職の認知症の人に対する態度(肯定的ないし否定的)を比較した。
Kenji Kuroda, Kim Koeun
【学術論文】
医療計画の見直しは精神科医療改革に寄与しうるか?
2012/01 単著 社会問題研究 61(140), 1-13
【概要】医療法に基づく医療計画の記載すべき内容の見直しによって、「精神疾患」に関する地域医療計画を策定することが、都道府県に義務付けられたことを受けて、どのような考え方で計画策定をすべきかを述べた。精神医療関係者は、今回の医療計画策定を好機と受け止め、精神医療の改革に活かすべきことを論じた。
【その他】
座談会 新型コロナ感染症に保健・医療・福祉はどう対応したか : 大阪での事例
2021/03 座談会記録 共著 地域福祉研究 49、73-90
【概要】筆者が企画を行い、福祉、医療、公衆衛生を実践する専門職4名とともに、筆者が座長をつとめて新型コロナ感染症の流行に対して保健・医療・福祉はどう対応したかを報告し 論じ合った。流行が始まって9か月が経過した2020年9月に行った座談会の記録である。
筆者はこの座談会の企画と司会、記録の執筆と校正を行った。
共著者は、猪俣 健一, 古川 英宏, 永井 崇之, 高鳥毛 敏雄, 黒田 研二。
【その他】
介護予防のための住民互助活動の類型化と展開方法に関する研究
2016/03 研究報告書 共著 大阪ガスグループ福祉財団調査・研究報告集 29巻、11-17
【概要】介護予防を推進していくために、住民自ら参加し展開する地域活動が重要である。大阪府堺市南区をフィールドとして、各校区福祉委員会で取り組んでいる、地域の見守り支え合い活動の現状を、質問紙調査により明らかにするとともに、活発に取り組んでいる校区福祉委員会の役員にインタビューを行い、推進方策を検討した。
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研究シーズ
【研究テーマ】 地域包括ケアシステムの形成と成果の分析
【研究分野】 公衆衛生、高齢者福祉、精神保健
【研究キーワード】 地域包括ケア、医療介護連携、認知症支援、介護予防
【研究概要】 地域包括ケアシステムは、介護予防、医療と介護の連携、認知症のケアや本人家族の支援、在宅ケア、エンドオブライフケアなどさまざまな機能要素を含んでいる。これらの要素ひとつひとつが、施策としてて評価研究を必要としている。また、これらの機能要素を含む地域包括ケアシステムをいかに地域に構築していくか、という政策レベルでの研究も必要である。少子高齢化が加速する地域社会において、こうした研究に多角的に取り組んでいる。
【共同研究可能なテーマ】 認知症ケアの評価研究
特許・発明
教育活動・社会活動
担当科目シラバス
問い合わせ先
西九州大学グループ
※ 健康栄養学部・健康福祉学部・リハビリテーション学部に関しては
Tel. 0952-52-4191
※ 子ども学部・短期大学部に関しては
Tel. 0952-31-3001
※ 看護学部に関しては
Tel. 0952-37-0249
Tel. 0952-52-4191
※ 子ども学部・短期大学部に関しては
Tel. 0952-31-3001
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